中島京子さんの「小さいおうち」で描かれる戦前の姿は、私たちが想像していた。。。というのか、植え付けられた。。。(というかむしろ単に誤解していただけかも)姿とは違うものでした。 私自身もこの15年くらいでやっと暗くて押さえつけられた庶民の暮らしとか、軍部の独走が主原因の戦争突入という幻想から抜け出せたくらいなのですから、実際に知らない昔を正しく認識するというのは至難の業なのです。 同じことは日本酒にもいえます。 残念ながら未だに戦争前の日本酒にまつわる事情を詳しく 面白く書いた著作に出会ったことがありませんし、語ってくれる方も周りにいらっしゃらないので、想像の範囲を超えることはできません。 が、 総じていえるのは、こと食については「昔はよかった」「昔の味はこんな風ではなかった」の懐古趣味はほぼ幻想だということ。 第一、原料となる米は、政府の統制下にあることが長く続いていました。私自身「米穀通