パレスチナ自治区ガザ地区の人道状況をめぐり、国連のグテレス事務総長は6日、国連憲章99条に基づき、安全保障理事会に人道的停戦を宣言するよう正式に求めた。99条は国際平和と安全の維持に対する脅威と認めた事案について、事務総長が安保理へ「注意を促すことができる」と定める。国連によると、2017年の就任以来、グテレス氏が99条を発動したのは今回が初めて。 グテレス氏は同日、安保理議長宛ての書簡で、イスラエル軍の攻撃が続くガザに「安全な場所はない」と指摘。「絶望的な状況により、近く社会秩序は完全に崩壊し、限定的な人道支援さえも不可能になると予想される」と訴えた。感染症拡大のおそれや、ガザ住民に対し近隣諸国への集団移住の圧力が高まることなどへの懸念も示した。