木村幹神戸大学教授 新型コロナで交流が途絶え、関係改善の動力を失う 日本、現金化への報復措置にこれといったカードがない 全ての措置を出し切った後、状況を変えるきっかけを探れば 「韓日関係はすでにこの上なく悪くなった。現金化措置を実行するならいっそ早くした方がいい」 神戸大学の木村幹教授は、韓日関係を冷静な視点で見る代表的な「知韓派」の専門家だ。木村教授は29日、ハンギョレの電話インタビューで「このまま事態を引っぱっても、日本政府も韓国政府も先に動かないのは明らかだ。新型コロナ問題でどちらも深刻な打撃を与えることのできない今、できる措置をすべて出し切ってから結果を見たほうがいい」と述べた。韓日関係が反転のきっかけをつかむためには、一度は底を打たなければならないという「厳しい現実論」だった。 ―現在の韓日関係をどう見るか。 「ユネスコ世界遺産に指定された“軍艦島”(端島)の問題などが韓日関係悪
外から見るときの色眼鏡 「あいつの考えている事がもうわからない」。人生には時にそう言いたくなる場面が存在する。そして我々がそう思う時には、たいてい、1つの前提が存在する。それはかつては「あいつ」の事をわかっていた、という理解である。そして思う。彼らが変わってしまった背景には、この間に彼らが経験した何か大きな変化があったに違いない、と。 しかしながら、実際にその思いを彼らにぶつけた時、我々は時に意外な反応に直面する。彼らは言う。自分は突然変わった訳ではなく、あなたが変化に気づいていなかっただけだ、と。そう、時に我々は自らの古い見方に囚われるあまりに、相手の変化を「認識」する事ができず、結果として彼らの事を「わからなく」なってしまうのである。 そして、同様の事態は国家間関係においても出現する。そして、その典型的な例の1つが、今日の日本における韓国に対する理解である。事実、今日の日本では「韓国は
6月2日、トランプと電話会談をした文在寅は、G7への招待を喜んで受けると答えた(写真は2019年6月、ソウルの大統領官邸) <トランプ米大統領はロシア、インド、オーストラリア、韓国の4カ国を今年のG7に招待すると提案した。かつてなら国を挙げて「先進国入り」を祝ったはずの韓国はしかし、既にG7とは異なる独自の発展モデルを確立しつつある> G7首脳会議は奇妙な集まりだ。外務省のホームページはこの会議について、「仏,米,英,独,日,伊,加(議長国順)の7か国及び欧州連合(EU)の首脳が参加して毎年開催される国際会議」と平板に説明しているが、それは実は、毎年開かれるこの会議には、公式の名称すら存在しないことを意味している。だからこそ、各国でもこの会議は様々な名称で呼ばれている。例えば、日本語では外務省が「G7サミット(主要国首脳会議)」と記述するこの会議は、英語では極めてシンプルに「G7 Summ
愛憎入り混じった視線が良く向けられる国、韓国。特に最近の韓流ブームを巡っては、K-POPやコスメがSNS経由で若者に受けている反面、上の世代にとっては理解しづらい面も少なくないようだ。 韓国理解を巡る世代間の断絶はどうして生まれるのか。朝鮮半島研究の第一人者である政治学者、木村幹・神戸大学教授と、毎日新聞社で韓国の取材を長年手掛け、『反日韓国という幻想 誤解だらけの日韓関係』(毎日新聞出版)を執筆した澤田克己・毎日新聞論説委員に対談してもらった。後編の今回では、日本の中高年世代で韓国のイメージが「昔で止まっている」問題に迫る。 実態と乖離した「日本スゴイ」 ――「ヨン様」が流行った第1次韓流ブーム時と違い、現在の韓流の主流はK-POPや韓国コスメを好む若年層です。今の中高年にはピンとこなかったり、反発がある面も否定できないと思います。ただ越境ECが当たり前になった今、こうした感覚の断絶は特
文在寅が野に下れば韓国はより親日的になる、というのは日本の勘違い(9月18日、ソウルの青瓦台にて) 写真提供:韓国大統領府 <最近韓国で行われたシンポジウムで、南北統一という本来の主題そっちのけで安倍政権下ろしの大合唱が起こった。度を越しているが、なぜこんなことになったのか> 「そういう話が聞きたいんじゃないです。どうしてもっと違う人を呼んでくれなかったんですか」 ──異様な光景だったと言って良いであろう。 先月末、招待されて韓国の国際シンポジウムに参加した。シンポジウムの名前は「DMZフォーラム」。北朝鮮と韓国の間を走るDMZ、つまり非武装地帯のある韓国の自治体、京畿道が主催する大規模国際シンポジウムだった。名称そのものが示唆している様に、シンポジウムの主題は朝鮮半島の統一問題であった。この自治体、京畿道の知事は前回2017年の大統領選挙で与党「共に民主党」の候補者の座を争った李在明。だ
韓国国会の文化体育観光委員会は8月下旬、東京五輪・パラリンピック開催の期間、競技場に旭日(きょくじつ)旗を持ち込んだり、それをあしらったユニホームを着たりして応援することを禁止するように、国際オリンピック委員会(IOC)と大会組織委員会に求める決議を採択しました。また、東京パラリンピックのメダルの図柄が旭日旗を想起するとして、韓国の代表団が変更を求めています。 旭日旗とは、「朝日をかたどった旗。もと日本の軍旗・軍艦旗などの類」(広辞苑第七版)。日本の国旗、いわゆる「日の丸」のことを日章旗と呼ぶのに対し、旭日旗は丸の周りに、太陽光を表す線が放射線状に何本も描かれた図のことを指します。外務省は「日本文化としての旭日旗」という資料で「旭日旗の意匠は、日章旗同様、太陽をかたどっている(略)大漁旗や出産、節句の祝いなど、日常生活の様々な場面で使われている」と説明しています。日本では明治時代から第2次
ああ、これは駄目だ。 日韓関係が急速に悪化している。直接的なきっかけは7月1日に経済産業省が発表した、一部半導体関連物品に関わる包括的輸出許可から個別輸出許可への切り替えである。この措置は7月4日から実施され、この措置に韓国の政府、世論は激しく反発した。 経済産業省は合わせて、韓国の輸出管理上の国カテゴリー変更(いわゆる「ホワイト国」からの排除)に関わるパブリックコメントの募集を開始、事実上、このパブリックコメント募集の終了後に、韓国に対する輸出管理を更に強化する事を「予告」した。そしてこの8月2日、日本政府は予定通り、閣議にて韓国の「ホワイト国」からの解除を実施する事を決定した。韓国政府、世論の反発は更に高まり、文在寅は一部日本メディアが「盗人猛々しい」とまで翻訳した言葉を用いて、日本政府を激しく非難した。 問題にしたいのは「輸出規制」の影響ではない とは言え、筆者がこの状況で、冒頭に述
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