日本のメディアでは、8月15日前後に戦争に関するテーマが数多く取り上げられるのが年中行事のようになっている。とりわけ今年は、安倍政権による集団的自衛権容認方針が打ち出されたためか、「日本は戦争をする国になってはならない」「日本が戦争をする国になるのが心配」といった類の表現をメディアやいわゆる識者が多用するようになっている。その影響と思われるが、一般の人々のインタビューでも「戦争をする国」という言葉を多く耳にする(もっとも、そのような回答をピックアップしてメディアが流している結果とも言えようが)。 ソフトパワーの戦争も立派な戦争 「戦争をする国」という表現の意味する内容は、はなはだ不鮮明である。おそらくは、戦争を単純に侵略戦争とのみ考えてしまい、日本が自ら進んで侵略戦争を開始することだけが「戦争をする」ことと思い違いをしているようである。「戦争をする国」と口にする人々は、他の国が日本に戦争を