労災で休職中の大学職員が解雇無効を争っていた裁判は、解雇を有効とした東京高裁での差し戻し審判決が確定した。7月27日付で、最高裁が男性の上告を棄却する決定を出した。 訴えていたのは、専修大の職員。首や腕などに痛みが生じる頸肩腕症候群と診断され、2007年に労災認定を受けて、休職した。これに対し、専修大は2011年に打ち切り補償約1630万円を支払って男性を解雇した。 裁判の争点は、休業中の労働者について、3年たっても治らない場合は、会社が賃金1200日分の「打ち切り補償」を払えば、解雇できるという制度の適用の可否だ。 労働基準法上は、使用者(この場合は大学)が治療費を負担していることが条件となっており、労災給付中で使用者が治療費を払っていない場合でも適用できるかが争われていた。 労災でも打ち切り補償が可能であることは、どのような意味があるのだろうか。中村新弁護士に裁判を振り返ってもらった。