【東京ウオッチ】これほどまでに反対が拡大するとは、予想していなかった─。岸田文雄首相の今の偽らざる本心ではなかろうか。首相が決断した安倍晋三元首相の国葬は27日の開催が迫る。 安倍氏が死去してわずか6日後の7月14日、記者会見で国葬実施を電撃的に表明した首相に迷いはないように見えた。「わが国は暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜くという決意を示していく」「活力にあふれた日本を受け継ぎ、未来を切り開いていく気持ちを世界に示していきたい」。冒頭で決定理由を高らかに読み上げた首相からは、安倍氏を仰いできた保守層への配慮に加え、安倍氏亡き後、トップリーダーとして自ら国家を引っ張っていく覚悟もそれなりに伝わってきた。少なくともこの時点では。 ...