堀江邦夫さんの名著『原発ジプシー』が、『原発労働記』(講談社文庫)※として復刊された。堀江氏が、1978年から79年にかけて、美浜、福島第一、そして敦賀と、三か所の原発を渡り歩き、最底辺の原発労働者として過酷な労働に従事した貴重な記録だ。 被曝の危険性を少しも伝えない「放射線管理教育」、現場でのずさんな線量計測、点検作業を行う労働者の被曝低減をまったく考慮することなく設計されている各種機器など、現在にまで続く安全軽視の実態がリアルに暴露されている。 ところで、この『原発労働記』の後書きに、一枚のグラフが掲載されている。1970年度から2008年度までの商業用原子炉数と、原発労働者の被曝総量の推移を示したものだ。 グラフは、原子炉数の増加に伴って被曝量が急激に増加し、ピークの1978年度には130Sv人以上に達したことを示している。 過小評価だという厳しい批判にさらされているICRP(国際放