突然ですが、皆さんは「丸天」という食べ物を知っていますか? 全国的には、食材を衣につけて揚げる「天ぷら」をイメージしがちだと思うのですが、福岡では魚のすり身を円形にして揚げたもののことを指し、地元民の間ではうどんの定番トッピングとして知られています。 福岡県内のほとんどの店が練り物専門業者から仕入れるなか、自家製の丸天で唯一無二の店づくりを目指しているうどん店が、福岡市博多区那珂に建つ商業施設・フォレオ博多2階の「丸天うどん専門店 万平(まんぺい)」です。 この店でオーナーシェフを務める平井秀一さんは、福岡県内の割烹などで腕を振るい、ホテルの料理長まで務めた経験をもつ、和食ひと筋30年超の料理人。もっとも得意としているのは、白身魚のすり身に具材を加えて作る「真丈(しんじょう)」の椀物(わんもの)でした。 プライベートでうどんを好み、食べ歩きをしていたある日のこと。「ダシを味わううどんは和食