豊田通商は2014年12月、アルゼンチンでリチウムの本格生産を開始したと発表した(図1)。炭酸リチウム(Li2CO2)換算で年間1万7500トンの生産を目指す。「現地の埋蔵量は炭酸リチウム換算で640万トン」(豊田通商)。このため、鉱山としての寿命は約40年にも及ぶ。アルゼンチンにおける日本企業初のリチウム開発事業だ。 「2012年時点で炭酸リチウムの生産量は約20万トン。これを金属リチウムに換算すると約3万7000トンに当たる。国内の金属リチウムの需要量は3000トンだ」(石油天然ガス・金属鉱物資源機構、JOGMEC)。従って今回のリチウム生産量は国内需要に匹敵する大規模なものだということができる。 探査から5年で生産にこぎ着ける 「当社は2009年から開発に適したリチウム資源の探索を続けてきた」(豊田通商)。その結果、アルゼンチン北西部のフフイ州にあるオラロス塩湖(Salar de o