みなさん、鬼といったらどんなイメージをしますか? 節分で追い払われる鬼だったり、今でしたら「鬼滅の刃」の鬼でしょうか。恐ろしくて強くて、人に危害を加える存在といった印象を受けますね。 能の演目の中にも「鬼」が登場します。 今回は能の物語の中で、どのような鬼が登場するのか、その一部をご紹介します。 ●鬼が登場する演目 鬼退治の物語である「紅葉狩(もみじがり)」「土蜘蛛(つちぐも)」「大江山(おおえやま)」などや、 人の情念が鬼となる「道成寺(どうじょうじ)」「葵上(あおいのうえ)」「安達原/黒塚(あだちがはら/くろづか)」「鉄輪(かなわ)」などです。 (「土蜘蛛」謡本の挿絵) 「紅葉狩」は、狩りに来ていた一行を美しい女性に化けた鬼が襲ってくる話です。神様に授けられた太刀でその鬼を退治します。 また「土蜘蛛」や「大江山」は土蜘蛛や酒呑童子という鬼を退治する英雄譚です。ただし「土蜘蛛」は、朝廷が