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ブックマーク / finalvent.cocolog-nifty.com (74)

  • フランスのロックダウン解除に向けたエドゥアール・フィリップ仏首相の演説の抜粋: 極東ブログ

    フランスは、5月11日から、段階的ではあるがロックダウン(都市封鎖)解除に向けて緩和する。それに先立って、フランス時間で4月28日、フランスのエドゥアール・フィリップ首相は議会で演説した。原文(参照)は公開されているので、読んでみた。けっこう考えさせられるものだった。 気になるところを抜書してみたい。ついで、試訳を添えておいたが、訳間違いもあるかと思うので、ご参考まで。 28 avril 2020 Discours de M. Édouard PHILIPPE, Premier ministre Présentation de la stratégie nationale de déconfinement (エドゥアール・フィリップ仏首相のスピーチ。国家の封じ込め戦略についての説明) Voilà donc le moment où nous devons dire à la France

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2020/05/07
    「そもそも、「私たちはこのウイルスと共存するのです」って、言える人は、政治家にも言論人にも、それほどいないだろう。」
  • 地球温暖化問題と気候正義: 極東ブログ

    国連の「気候行動サミット」での16歳の環境活動家グレタ・トゥンべリさんの演説が話題だった。内容については、彼女が、科学に耳を傾けてくださいというのは、よく了解できたが、微妙な違和感のようなものが残った。それはなんだったか、いろいろ自分なりに思いをめぐらして、思うことがあった。地球温暖化問題と気候正義である。 地球温暖化問題については、自分なりに考えてきたが、気候正義ということについてはあまり考えてこなかった。グレタさんが訴えたことは、地球温暖化問題と気候正義の2つの側面があり、後者について、自分はどう対応していいか、よくわからないということに直面した。 気候正義とは、Climate Justiceの訳語で、それをうたったNGO FoE Japanによると、こうだ。 Climate Justice (気候の公平性)とは、先進国に暮らす人々が化石燃料を大量消費してきたことで引き起こした気候変動

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2019/09/30
    「私は、地球温暖化問題と気候正義は分けて考えるべきだと思う。また、気候正義は経済成長に敵対するものである必要はない」
  • [書評] スーパーヴィジョンのパワーゲーム ―― 心理療法家訓練における影響力,カルト,洗脳 (リチャード・ローボルト): 極東ブログ

    [書評] スーパーヴィジョンのパワーゲーム ―― 心理療法家訓練における影響力,カルト,洗脳 (リチャード・ローボルト) 社会に読まれるべき内容でありながら、専門書ゆえに読みづらいという書籍がある。あるいはすべての専門書が来はそうであるのかもしれない。そこで社会と専門書の間を取り持つような、あるいはのようなものが必要となり、書かれることがある。 専門書の著者に新書のような体裁で執筆することを編集者が頼むことが多いだろう。そしてそれらのいくつかは成功するが、多数は失敗する。と、もったいぶった言い方をしたが、「まあ、それはそういうものだ」ということでしかない。だが、起点にあった「社会に読まれるべき内容」はどうなるのか。取り残されてよいわけはない。書を読みながら、この内容は実は「社会に読まれるべき内容」なのだという思いが、先見的な失敗を予想するとき、たとえば読者としての私は、さて、何を言

    [書評] スーパーヴィジョンのパワーゲーム ―― 心理療法家訓練における影響力,カルト,洗脳 (リチャード・ローボルト): 極東ブログ
  • [映画]風立ちぬ(宮崎駿): 極東ブログ

    宮崎駿の『風立ちぬ』は前評判的な情報などを聞いて少しうんざりした感じもあり、また私も、リアリズムっぽい作品が苦手でSFやファンタジー的な作品のほうが好きだし、どっちかというと、アニメ映画は子どものためにつくるもので、大人のために作っちゃいけないつくっちゃいけないような感じもしていたので、少し避けていた。 が、見た。完全な作品だった。そのことにまず圧倒された。もちろん、三行でまとめられる大きなストーリーがないのにどこが完璧なんだよという意見もあるかもしれない。いや、そうしたストーリーこそ完全性の対極にあるものだ。 まったく隙というもののない完全な作品だった。こんなものが創作できるのかというのが驚きだった。隙のなさはバランスの良さということもであるのだが、映像のディテールの充実にも圧倒された。緻密に歴史考証していくと間違いやフィクションとしてやりすぎという部分もあるのかもしれないが、よくここま

    [映画]風立ちぬ(宮崎駿): 極東ブログ
    yyamaguchi
    yyamaguchi 2014/10/27
    「映画に描かれているあの時代の風景を生活実感の延長として想起できる世代が恐らく昭和32年生まれの私で最後なのだろう。よくこれだけの映像を残してくれたなあという感謝のような思いがある。」
  • [書評]がんの花道 患者の「平穏生」を支える家族の力(長尾和宏、藤野邦夫): 極東ブログ

    村上春樹の短編『神の子どもたちはみな踊る』(参照)に収録されている『タイランド』という短編小説の冒頭、主人公のさつき(50歳を越えていた)は、タイに向かう飛行機のなかで、乗客に医師がいるかとの機内アナウンスを聞いて名乗り出るか、ためらう。乗客に緊患が出たのだ。が、彼女は病理医であって臨床医ではない。以前、似たような状況に遭遇して名乗り出たとき、たまたま乗り合わせた別の開業医から、間接的ながらも、病理医の必要はないと諭された。開業医には、前線で指揮をとっている古参将校にも似た落ち着きがあったと、さつきは感じた。 そこに医学と医療の差がある。医学はネットの情報など知識を通して見るとすっきりとした科学であるようにも見える。科学であることの旗を勇猛に奮う医師もいる。が、医療の現実は戦場に近い。そこで求められているものは、医学を元にしているとはいえ、その臨床医の全人間存在かもしれない。書『がんの花

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2013/09/18
    「抗がん剤治療を打ち切る時期が検討される時期」「長尾医師は最終的には患者本人の自己決定としている。正解はないと彼は述べながらも、一般的な目安として「はっきりと痩せてきた時」としている。」
  • 「ナチス憲法」を引き合いにした麻生太郎副総理発言について: 極東ブログ

    もうだいぶ下火になっていると思うが、「ナチス憲法」を引き合いにした麻生太郎副総理発言が話題になっていた。この話題については言及しないでおこうと思っていた。各論者が持説を決めてから議論していて、かつ攻撃的な雰囲気が濃いように思えたからである。しかし、事実がある程度わかってきたので、事実と常識的にわかる部分だけからは、ブログで指摘しておくのもよいだろう。 1 麻生発言は聴衆は反語として理解していた もう6年近く前になる。作家の森博嗣氏が2007年11月19日のブログで「【国語】 反語が通じない」(参照・現在はリンク切れ)というエントリーを書いて、ネットで話題になっていたことがある。 反語という表現法があるが、最近の若者に通じないことがあって困る。 反語とは、強調するために、意味を反対にして(通常は肯定と否定をひっくり返して)、多くは疑問形にした表現のこと。たとえば、「とても不味い!」という代わ

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2013/08/05
    「ある意味奇妙とも言えるのだが、麻生氏は「国家基本問題研究所(櫻井よしこ理事長)」という改憲派と見られる人々を前にして、現状での改憲は望ましくないと述べているのである。」
  • [書評]「ブッダ」(手塚治虫): 極東ブログ

    Yahoo!ブックストア」で2013年6月4日まで、手塚治虫の「ブッダ」全14巻が無料で読めると聞いて、ああ、懐かしいなと思った。ニュースをざっと見ると、アンドロイド端末アプリを使うらしいので、持っているけど、あれで漫画を読む気にならないと思った。が、ふと気になってもう一度見ると、iPhoneアプリにも対応しているらしい。それでも画面が小さくて読む気にはならないが、もしかしてiPadで読めるのかもと思って試したら、読めた。そして、つらつら14巻を読んだ。他に、「火の鳥」全16巻と「ブラック・ジャック」全22巻も同期日まで無料らしい。そちらはいくつか覗いてみた程度。 手塚治虫の「ブッダ」が、潮出版社の少年漫画雑誌「希望の友」に連載開始されたのは1972年のこと。僕が中学二年生の時だ。すでにその頃、僕は亀井勝一郎の「親鸞」(参照)とか、鈴木大拙の「日的霊性」(参照)や梅原猛の「地獄の思想」

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2013/06/06
    「描かれている手塚治虫流仏教は、言い方は悪いが、仏教とは似ても似つかない奇妙な思想だが、それでも、教相判釈でもあり、強烈に本覚思想でもあり、つまり、そういう点では、日本仏教の亜流と見てもよいのだろう」
  • 橋下共同代表による問題発言の海外反響について: 極東ブログ

    維新の会・橋下共同代表が大阪市で13日、記者団に向けた発言に、NHKが言うところの「いわゆる従軍慰安婦問題」が含まれていて国内で話題になっていた。今朝ツイッターを見たら、毎日新聞・和田浩明記者がまとめた英語圏での報道のリスト(参照)も話題になっていた。 私は、グーグルニュースが自動的にまとめたリストから該当の話題を辿って読んでいただけなのだが、そのわりに特に見落としていた記事はないようだった。これらのリストの記事は用語の選択などの点も含め、各報社の特徴などがよく表れているので、比較して内容を読んでみると海外報道での日の扱いを知る上で格好の例になると思う。 ツイッターではこのリストを元に、海外ではこんなに橋下発言が話題になっているという話題もよく見かけた。たしかにどれもベタ記事扱いではないので、話題になっていると言える。ただ、こうしてこの話題だけに焦点を当てて抜き出すとそう見えるかなと

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2013/05/15
    「売春が日本国の法律で禁止されていることや、そうはいっても、類似のソープランド("Soapland")があることに言及し、また問題のあるマッサージ店が横須賀近辺にある実態についても触れている」
  • [書籍]本を書きました。『考える生き方』(finalvent著): 極東ブログ

    冗談みたいなんですが、ええと、を書きました。『考える生き方』(参照)。アマゾンを見ると、明後日、2月21日に発売となっています。 自分のところには数日前に見が来て、「ああ、になったんだ」と感慨深かったのだけど、いま発売日を確認したら、もう明後日なんだと驚いた次第です。 内容は、あれです、ネットで嫌われる「自分語り」というやつです。 なので、ネットでするのもなにかなとにした……というほどではないのですが、いろいろ考えたのですが、ネットで書くより、で書いたほうが読んでもらえるような気がしたというのはあります。 有料プラットフォームcakesで書いている「新しい古典を読む」の書評を続けていても思ったのだけど、cakesもネットではあるけど、有料なので読みたいという人が読むことになります。すると、読む人の数は減ってしまうし、簡単な一言コメントみたいなものも少なくなりますが、その分、深く読

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2013/02/20
    「内容は、あれです、ネットで嫌われる「自分語り」というやつです。なので、ネットでするのもなにかなと本にした……」「ネットで書くより、本で書いたほうが読んでもらえるような気がしたというのはあります。」
  • [書評]中の人などいない @NHK広報のツイートはなぜユルい?(NHK_PR1号): 極東ブログ

    ツイッターについて自分なりに読んできたのなかでは、「中の人などいない @NHK広報のツイートはなぜユルい?(NHK_PR1号)」(参照)が一番面白かったと思った。 ツイッターというものの、その生態の質的な一面がこれだけきっちり書かれたはなかったようにも思う。結果的ではあるが、東北震災や福一事故を挟んだツイッター史としても重要な書籍になっている。そういう面では意外に軽いではない。いや、読書としては軽く読めるが。 NHK_PR1号さんがただ者ではない理由もわかる。いきなり結論めいたことをいうと、ツイッターは「バカ発見機」とも言われる面の対極に、とても優れた人を見つける仕組みでもある。NHK_PR1号さんのツイートを読みながら、「ゆるい」「いじられキャラ」としての楽しみのなかで、多くの人が実は、新しい日社会のなかで、どう言葉を使ってどう関わるべきかを学んでいる。これはすごいことなのだ。

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2013/01/19
    「ツイッターというものの、その生態の本質的な一面がこれだけきっちり書かれた本はなかったようにも思う。結果的ではあるが、東北震災や福一事故を挟んだツイッター史としても重要な書籍になっている。」
  • フランスでは中絶費用が無料。15歳から18歳へのピル配布も無料。: 極東ブログ

    国家とはなんだろうかという問題を、自分なりにいろいろ考えてきた。レーニンやトロツキー的には国家というのは暴力装置であるとした。つまり、軍隊や警察、刑務所など各種の暴力機関を収納して一元的に発動できる装置(apparatus)であるとした。ウェーバーはこれを近代国家の要件としたが、彼は国家形成については多元的な見方をした。他方、レーニンは暴力が権力源泉であると単純に考えた。その信奉者には、国家=暴力装置という権力源泉を解体して市民を自由にするためには、それを対抗的暴力で解体すればよいのだという短絡な運動も生まれた。「政権は銃口から生まれる」というものである。これを大衆のルサンチマンに結合することを革命の情念とする傾向も見られた。 この国家観の起点にあるマルクスはレーニンのように考えていたわけではなかった。彼はこれをまず上部構造として捉えた。エンゲルによって実質改竄されその安易な流布であるレー

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2012/11/03
    「いずれにせよ、今回の議決でフランス人女性すべてが金銭的な制約なく、自身の性生活を自己管理できるようになったとは言える。つまり、市民の自由の実現であり、女性の市民権の補完とも言えるだろう。」
  • 日本に家族なんてものはなかったし、結婚もなかったんですよ: 極東ブログ

    NHK大河ドラマ「平清盛」が面白い。が、これは現代の物語だなと思わせるのは、白河法皇の血脈と氏族の親子関係みたいな部分だ。血脈は所詮ファンタジーなのでどうもよいが、物語の、親子関係というか親子の愛情の描写を支える心情は実に近代人のそれであり、近世から現代の家族観を反映しているにすぎない。あの時代にそういう心情はなかっただろう。 物語なんだから、それで悪いというわけではない。古代・中世の親族構成というのは、なかなか現代人の感覚からはわからないものだ。昨日、近世日の家族の与太話を書いたが、これも機会かもしれないので補足しておこう。 村落の皆婚化が進んだのは江戸時代中期であった。なぜかという理由に、とりあえず生産力向上を挙げ、さらにその背景に統治の安定を挙げた。基的に江戸時代初期は統治が安定に向かう時代だといえるし、その理由も自明のようだが、踏み込むと考えさせらることがある。 昨日のエントリ

  • 誰が弱者か?: 極東ブログ

    2ちゃんねるのまとめサイトだろうか、「どっちが弱者ですか?」(参照)というネタが上がっていた。ネタだというのは一目見ればわかるが、この絵はちょっと奇妙な後味を残す。誰が弱者か?という難問の、どこかしら質を突いているからだろう。 5人の人がいる。左から。 (a)貯金4000万円の働かなくても年金生活の老人。 (b)年収300万円の疲れ切ったブラック会社員。 (c)年収250万円の派遣社員。 (d)年収200万円のフリーター。 (e)旦那が年収1000万円の専業鬼女。 もちろん、ネタ元の「あなたの優しさで席をゆずりましょう」というときは、妊婦(e)や老人(a)に席を譲ろうという話だったのだが、これを「弱者」に問題をすり替えたとき、譲られるべき老人(a)も妊婦(e)も社会的な「強者」ではないのかというアイロニーである。 もちろん、とまた言うが、この局面では座っている権利を持っている人が身体的な

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2012/07/29
    「むしろカネで解決できる問題に還元することが、弱者という偶然の構造を変えるための解決手段なのだから、モラルに問うより、カネに還元する社会構造が望まれるのではないか。」
  • シリア情勢が一線を越えた。化学兵器流出の危険。: 極東ブログ

    シリア情勢が一線を越えたようなので、少し言及しておきたい。一線とはなにかというと、化学兵器流出の危険である。 世界情勢を見つめていて、非道なものだなと思うのは実際に情勢が動き出すのは人道的な危機ではなく、特定の危機の構造である。中東問題で言うなら、あまり端的に言うのもなんだが、サウジアラビアかイスラエルへの脅威が構造的に形成される契機が重要になる。米国が気で動き出すのは、この二国の安全保障上の、繰り返すが、構造的な危機の可能性である。今回の一線ではイスラエル側にある。化学兵器がイスラム過激派や反イスラエル運動の組織に渡ると、イスラエルで大量殺人が起きかねない。イスラエルが気になりつつあり、当然米国を巻き込むという構図になる。 日ではあまり報道されていないので正確な議論をするのは難しいため、飛躍的な結論のように聞こえるだろうが、現下のシリア危機だが、当初は基的にサウジアラビアとイラン

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2012/07/22
    「最悪のシナリオは、「大義」の演出の後の7万5千人規模の米軍地上部隊のシリア投入だろう。」
  • 音引きと促音をやめるとジャパニーズ・イングリッシュ臭さが抜ける: 極東ブログ

    昨日のついで英語の発音の話。このネタ、他所で見かけたことがないので、ちょっと書いておこう。どういうことかというと、音引きと促音をやめるとジャパニーズ・イングリッシュ臭さが抜ける、という話。何、それ? 皆さんご存じだと思うけど、確認から。音引きというのは、伸ばし音。長音ともいう。たとえば、「おばーさん」の「ー」が音引き。そして、促音というのは、詰まる音。例えば、「がっかり」の「っ」のところ。 これがどうして英語の発音に関係するのか。関係するんですよ。簡単にいうと、英語には長音も促音もないのに、日人が英語で発音するとこれ無意識に入れちゃいがち。ちょっくら説明しみよう。 英語に長音はない 車(car)は「カー」。The internetは「インターネット」。印刷機(printer)は「プリンター」。少女(girl)は「ガール」。「スポーツ」(sports)。というように、英語をカタカナで表現す

  • [書評]浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか(島田裕巳): 極東ブログ

    書「浄土真宗はなぜ日でいちばん多いのか」(参照)の表題の問いについて関心がある人なら、それは「おわりに」の数ページが扱っているだけなので、さっとそこだけ立ち読みすれば終わる。ただ、さっと読んでわかる回答は書かれていない。筆者の用意した回答としては「庶民の宗教だから」というのが筆頭に来るが、それが明瞭に支持された解説に拠らずややわかりづらい印象を受ける。しかし、そこは書の欠点ではない。 むしろ書全体を読めば、明瞭な答えに導かれる。つまり、浄土真宗は帯から家系による寺の相続が可能になったこと(来寺はそういうものではない)と、帯に伴う縁組みで閨閥が形成できることだ。 浄土真宗を宗教としてみるとわかりづらいが、諸侯や商店の特異とも見ればよいとも言えるだろう。浄土真宗藩や浄土真宗店とでもいうようなものである。さらに江戸時代に幕府から特別に保護されたことの要因も大きい。 ただし、それらの

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2012/04/28
    「本書全体を読めば、明瞭な答えに導かれる。つまり、浄土真宗は妻帯から家系による寺の相続が可能になったこと(本来寺はそういうものではない)と、妻帯に伴う縁組みで閨閥が形成できること」
  • [書評]超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか(リチャード・ワイズマン): 極東ブログ

    「超常現象」という言葉を聞いただけで眉をしかめ、身を引く人もいるだろう。占い、幽霊、超能力者、念力、体外離脱、霊媒……ちょっとご勘弁な話題である。なぜなら、そんなものは存在しないからだ。 書「超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか」(参照)の著者リチャード・ワイズマンもそういう一人だった。彼はずっとこう考えていた――超常現象はパーティの話題としては受け取るが事実無根――と。ではなぜ彼が超常現象をテーマにしたを書いたのか。科学的世界観を普及させたかったのか。偽科学批判をしたかったのか。必ずしもそうではない。 ふとしたきっかけで彼は、超常現象が存在するかを調べるより、人がなぜこうした不思議な体験をするのか、その心理的な理由が知りたい、と考えるようになった。それは脳の問題なのではないか。 超常現象が存在するかどうかという科学議論については「超常現象を科学にした男――J.B.ラインの挑戦」(

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2012/02/14
    「信じたい物を人は見てしまうという脳の仕組みを理解し、その理解から奇妙な信念を持つ人を共感したうえで、場合によっては脳の仕組みにそってその信念を解くように接したほうがいいだろう。」
  • 「○○○は絶対反対」主義の蔓延をどうしたものかな: 極東ブログ

    ブログのエントリーで正月、「年頭にあたり云々」みたいな話題もありかなあと思いはしたが、書いても詮無しという感じがしたのと、危機煽ったり嘘臭い希望を語ったり、ありがちな世代間闘争とか消費税云々とかいうお決まりのお題をこなしたりとかにもうんざりしたのでゲームばっかりしていた。とはいえ、お節やお雑煮をい過ぎて伏せりながら、いろいろ思うことはあった。一つは「○○○は絶対反対」主義の蔓延をどうしたものかな、と。 昔もそうだったといえばそうかもしれないが、小泉政権のあたりから、「○○○は絶対反対」という人が多くなったような気がする。たぶん、昔からあるのだろうけどネットの利用者が拡がることで目に付くことも多くなったのではないか。 以前の話だが沖縄で暮らしたころ、久茂地「りうぼう」で買い物をすると向かいの県庁の前でよく反戦運動とかの座り込みやデモを見かけたものだったが、妙に小規模なものだと思うことが多か

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2012/01/07
    「「承認」ということかな。孤独のシグナルというのは、承認欲求のシグナルでもあるのだろうし、日常的な承認が得られないことで「絶対反対主義」にドツボってしまったのだろう。」
  • [書評]河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙(河北新報社): 極東ブログ

    今年はどんな年だったかといえば、東日大震災の年だったと言うほかはない。NHKニュースに流れる災害報道の映像は見ていた。そのくらいは見るようにした。 かつて大伴家持の晩年を偲んで一人旅して回った多賀城市の惨状は、胸抉られる思いがした。あまりの圧倒的な惨事に心がついて行けなくなった。自分について言えば、少し日が経って以降、震災についてはあまり考えないようにしていた。逃げていた。 そうもいかない。震災を少しづつ考えようと思ったとき、まず言葉が欲しいとも思った。映像やニュースではなく、その経験のただ中にいた、人間の言葉が欲しい、と。それが、この「河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙(河北新報社)」(参照)にはあった。 書名「河北新報のいちばん長い日」は第1章の章題でもある。3月11日の、その当日から、奇跡的と言ってもよいだろう、翌日の朝刊を作り上げる12日の未明までの河北新報の活動がドキュメ

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2011/12/05
    「映像やニュースではなく、その経験のただ中にいた、人間の言葉が欲しい、と。それが、この「河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙(河北新報社)」(参照)にはあった。」
  • ニューヨークタイムズが掲載した福島原発の放射線量グラフを眺める: 極東ブログ

    福島原発事故関連で多少気になることがあるので、備忘のために記載しておきたい。話題は、15日に実施された福島第一原発2号機の蒸気放出とその後についてである。 このところ野菜や水道水への放射性物質汚染が話題になっているが、これはいつどのように発生したのだろうか。何度となく繰り返される原子炉の圧力調整による蒸気放出や使用済み核燃料などが疑われる。実際にはどうだったのだろうか。 原発外部の放射線量について、経時的に見やすくまとめているニューヨークタイムズの「Radiation at Fukushima Daiichi」(参照)のグラフを見ると、第一原発の正門付近における放射線量で、15日と16日にかけて3度ほど、かなり高い山があることがわかる。この時点でかなりの放射性物質が放出されたのだろうと推測される。これはなんだったったかと過去のニュースを振り返って見て、いくつか疑問が湧いた。 グラフ情報の由