ドラマ好きであれば、誰しも好きな脚本家のひとりやふたり、いるのではないか。 その中でも、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合)の三谷幸喜と、同じく大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』(NHK総合)などを手掛けた宮藤官九郎は、多くの人が名前を挙げる人物だろう。 彼らが関わるあらゆる作品を観て感じるのは、愛すべき登場人物の描き方の見事さもさることながら、登場人物の多い作品にもかかわらず、複雑に感じさせない見事な筆致。そして、セリフに宿る類まれなるコメディセンスや、単話だけでなく全話通してこそ感動が生まれる構成力。こうした脚本の技術は、恐らく、彼らが出自とする小劇場演劇で磨かれたものだろう。三谷は、大学時代に自ら旗揚げし主宰した劇団「東京サンシャインボーイズ」にて作・演出を務め、宮藤は、劇団「大人計画」に演出助手として入ったことからキャリアを始めている。 現役で活躍する小劇場出身のド