木村:次は、日本のITベンダーの在り方について議論したい。 長谷川:繰り返しになるが、私は「IT部門はSIerとの相互作用でダメになっていく」と指摘してきた。具体的には、請負契約が諸悪の根源だと考えている。 IT部門が請負契約で全てをITベンダーに“丸投げ”すると、IT部門側に「手を動かす」ような仕事が残らない。それではいいシステムは作れない。 木村:だが、予算・実績管理が徹底した企業であればあるほど、請負契約以外でシステムを構築するのは難しいのではないか。 長谷川:そうとも限らない。やり方はいろいろある。 例えば、ITベンダーから技術者に来てもらって作るという方法がある。納期が延びたり、それに伴って費用が膨らむリスクは確かにある。だが、技術者の姿が見える方が、“丸投げ”よりもいい。 私はやはりプログラムを書ける人が要件定義をする必要があると考えている。内製するのも一つの考え方だが、外部に