欧米に比べ遅れている公的不動産活用をどうすればいいのか。経営と街づくりの視点から鋭く切り込む木下斉(一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事)、「共通価値経営」を標榜する野尻佳孝(テイクアンドギヴ・ニーズ会長)、リノベーションなどで優れた実績を誇る馬場正尊(オープン・エー/東京R不動産)の3人が、ホスト兼パネリストとして毎回ゲストを迎え、「新しい日本の公共不動産のあり方」をビジネス視点で考える「パブリック・アライアンス・トーク」。 海外の事例を日本に当てはめるのが危険なワケ ――今回のテーマは「河川」です。初めに海外の活用事例を紹介しましょう。まずはパリのプラージュ。これはセーヌ川のほとりの河岸道路の一部を、夏季の1カ月間閉鎖し、砂浜のある遊歩道にするという社会実験で、すでに10年以上続けられているものです。公園、カフェ、スポーツ施設なども導入され、本来道路であるスペースが