深刻な若者の貧困 7月に起きた相模原市障害者施設での殺傷事件を取り上げた報道番組について、19歳の大学生が東京新聞の『発言』欄への投稿で強い不満を述べていた。 番組の多くが「容疑者のひずみや異常さ」ばかりを言い立てて、「魔女狩りのようだと感じます」という前置きの後、「私たち若い世代は、勉強しても借金だらけ、就職できるかの不安、運よく就職しても働けど働けど親世代には追いつけず、生活はずっと不安定、結婚、子供なんてもってのほか、未来に希望はひとつもない。そんな状態なのに、どうして誰も助けてくれないのか。怒りが間違った方向に向く」 そうした根本問題を抜きにしては、「番組で取り上げる意味がないと思います」と結ばれていた。 藤田孝典著『貧困世代』によれば、「2012年のデーターでは、奨学金利用者は大学生の52・5%で」、親世代の平均収入の減少に比例して仕送りは減額し、半数以上の学生が利用せざるを得な