日本株市場の分析において、一部市場参加者による「成長戦略が株高をもたらす」という見方は「生産的ではない」と批判的に評した。官の裁量が大きくなる政策は相場のノイズにすぎず、いわゆる「成長戦略」に幻想を抱くことはリスクであると結論づけた。 当時と現在で、筆者の見方はまったく変わっていない。3年経過して「成長戦略」なるものが、株式市場など金融市場に影響を及ぼしたことは、ほとんどなかったように思われる。これらの政策が、マクロ的には大した成果が見込めないと、もともと考えていた筆者からすれば驚きではない。 実際に、2012年から日本株市場では、①米国など海外株市場、②日米の金融政策が決するドル円の動向、③消費増税に対する判断(財政政策を間違えないか)、のいずれかが全体のパフォーマンスを決めていた。「3本の矢」を掲げたアベノミクスについて、「成長戦略」(または構造改革)が最も重要と一部論者らが述べていた