女も男もメイクはたしなみ! ニッポンの化粧 文明開化によって大きく変わった日本人の化粧。古くは中国大陸の影響を受け、お歯黒をはじめとする独自の美意識を形成してきました。日本の化粧文化の変遷を今月の「Trace」ではたどっていきます。 古代日本の化粧を知ることができる最古の文献『魏志倭人伝』には、日本が倭と呼ばれていた時代に、朱丹(しゅたん)=赤い顔料を顔やからだに塗る風習があったと記されています。古墳時代の遺跡から赤い化粧を施した埴輪が出土していることからも、赤色で身を装うことがトレンドだったようです。 赤色の化粧は、日本に限らず多くの古代社会に共通する風習。現代のようなおしゃれ感覚というよりも、赤色から太陽や火、血液を連想し、その神聖な色を身にまとうことで死者の再生を祈願する、また魔除けの意味もこめていたと考えられています。 中国大陸や朝鮮半島と交流を持ち、その影響を強く受けた飛鳥・奈良