東日本大震災で被災した仙台市若林区荒浜の再生を願い、荒浜全域を図書館に見立てて開いた「海辺の図書館」が今月、1周年を迎えた。地域資源そのものが本であるという発想で誕生させた、屋根のない青空図書館。荒浜を舞台にイベントや講座を開いて人を呼び込んできた。荒浜出身で震災後は仮設住宅で暮らす「館長」の男性は、「みんなで荒浜の未来を考え、創る場所にしたい」と語る。 海辺の図書館は2014年6月、大手書店の社員として市内の大学図書館を担当する庄子隆弘さん(41)が開いた。両親らと住んでいた荒浜の家は津波で流され、小さいころの遊び場だった松林も消滅。一帯は災害危険区域となり、家を建てて戻ることはできない。 地区を歩いて住民の話を聞き、本を読むように、そこにあった暮らしや文化、歴史を知る-。庄子さんは地域の宝に光を当てる海辺の図書館を思い立った。 仲間を巻き込んで、さまざまなイベントを企画。イナサと