ある質問から 図書館史を勉強するようになって、図書館関係者から最も聞かれたことに次のような質問がある。 「4月2日は図書館記念日で、それは明治5年に書籍館が開設されたことに由来するらしいが、本当か?」 いろんな人がネットで調べて疑問に感じるらしく、以前にも聞かれたことがあり、先日もまたちょっと人に聞かれたりした。最近でもネット上で、4月2日は、明治5年に日本初の近代公共図書館が出来た日であるという話がいくつか出ており、ちょっと誤解が拡散しているようなので、整理しておくことにする。 結論からいうと、この説明は正しくない。 書籍館が日本初の近代公共図書館だというのも突っ込みどころはある気がするが、それはともかく、ネットでこの話がなくならないのは、紙の本でもこうしたことが書いてある文献がおそらく存在するからなのだと思う。 明治5年に書籍館が開設されたのは4月2日ではない。もう少し慎重に、正確に言
英語の勉強をしようと思っていたところ、副題の“Why Libraries Matter More Than Ever in the Age of Google”が気になり、さらにAmazonの図書館情報学のベストセラーのサイトを見ていたらなんだか評判が良かったのをたまたま見て、昨年11月くらいからチマチマkindleにダウンロードして読んでいた本。密かに何人かの同僚にも勧めていた。 今年になって邦訳が出たとの話を聞き、「仕事はやいな!」と感服しつつ、邦訳も買って、このほどようやく読み終わった。 著者はハーバード大学の法学の先生であるが、ロースクールの図書館長をやったり、さらには米国デジタル公共図書館(DPLA)設立委員長として有名な方*1。たぶん、デジタルアーカイブの将来とかをめぐる著者の考え方へのコメントは、自分には出来ないし、ほかの方が絶対に書かれると思うので置いておいて、もっぱら図書
さくらVPSで6万PV程度のサイトを運用することになったので、その際の記録を残しておきます。 さくらレンタルサーバ⇒さくらVPS さくらレンタルサーバで運用している時は、ちょくちょく503が発生しておりこれを解決するためにさくらVPSへの移行を行いました。 レンタルサーバの時は、ログ解析や監視ツールなどを導入していなかったので503の頻度やパターンは不明です。(安易な判断でVPSに移行したので、この点は反省です) 本来は原因を追及し、プログラムの改修やサーバ負荷の分散などをすべきですが時間の都合で省いてしまいました。 構成 運用するサイトはpukiwikiで構成されたサイトです。 pukiwikiは、PHPで書かれており大量のデータをRDBを利用せずに構築できる点が大きなメリットです。 今回は1サイトですが、複数のサイトを運用する可能性を考慮してVirtualHostも利用します。 さくら
▼だいぶ迷ったけれど,特定機密保護法案に反対する学者の会にコミットすることにしました. ▼ぼくのバックボーンを手短に説明しておきます.専門は図書館情報学というケッタイな学問です.図書館のことを中心に,情報とかそのへんとか色々漁ってる,そんな学問です. ▼31歳助教.子あり.任期付き.そういう弱い立場にもかかわらずコミットしようと思った理由は,これはやばすぎるからです. ▼今回の特定機密保護法案についてなのだけれど,端的にいって日本国民に対する裏切り,ひいては人類に対する裏切りだからだと思ったからです.情報は公開され,チェックされ,オープンであって,(あんまり好きな言葉じゃないけど)PDCAのチェック,アクションが動いて,それではじめてきちんと動くからだと. ▼ぼくたちの学問は知識の蓄積を重視します.国会図書館なんかは(建前上)日本のあらゆる出版物を収蔵し,未来永劫保存していくことをミッショ
私はバイトで大学図書館のカウンタ業務をやっています. カウンタは大学生3名で,休日ということもあり専任の司書の方はいませんでした. 業務中に「Wordでこういうことがしたい」という利用者の方から要望がありました それを聞いた職員一名は「わかりません」と対応しました. 私はこれにすごく憤りを覚えました. たとえ休日だとしても大学図書館のカウンタに立つにはレファレンス(のようなこと)ができることは喜びであるし(図書のバーコードを読みとるだけなら機械のほうが正確で無駄がないから),情報探索すらできないのかと. 専任の図書館員でなければ、分からないと答えそれで終わってしまっていいのかと. 非常勤扱いの図書館職員だとしてもはそれでいいのかと. 結果として,自分が対応してはみたもののうまくできず(Wordの表の中の文字の行間を小さくしたい),一度退散し,Wordの資料にあたり,再度行った時には利用者さ
研究者各所で報じられています。 Nature News Blog: F1000 launches fast, open science publishing for biology and medicine An arXiv for all of science? F1000 launches new immediate publication journal « Retraction Watch Say Hello to F1000 Research | Gobbledygook これ:F1000 Research 論文の査読システムについて以前からこういう話が持ち上がっていました→論文の査読はtwitterで - 蝉コロン。従来の査読は今んところベストかもだけれど問題点いろいろあるし、もう論文はどんどん出しちゃって後から皆であーだこーだ議論したらいいんじゃねというpost-public
院生時代に愛読していた『MASTERキートン』に好きな話がある。研究者と保険屋の間で「優秀な保険の調査員」であることに悩んでいたキートンが大学図書館に行ったときのもので、図書館でバイトしている院生がカウンターに現れた人物をキートンと知るや、その手を握りしめ「あんな素晴らしい論文初めて読みました!僕はあれを読んで研究者になろうと決心したんです!」と語り、言われたキートンがびっくりする、というシーンである。「あんな素晴らしい論文初めて読みました」と、いつか一度は言われてみたいものだと思いながら、その願いを果せず今に至っている。 論文の書き方を考えるときは、私の場合、いつも上手く書けていない、書いたけれど不満が残った、もっと上手になりたい、そんな風に思うときだと相場が決まっている。上手く書く方法や文章術についてネットで探せばいくらでも出てくる。文章読本の読本まであるご時世である。 けれど、そんな
▼ここのところ,そこそこ真面目に論文を書いています.論文を書くというのはなかなか難しくて,おれ個人としては,ゆっくり時間をとれる間じゃないと,ゆっくり考えられないので往々にして書けないのです.凄いヤツらは俺が悩みまくってるところを秒速5cmで進めていきますが,俺にはそういう才能はない.遊んでいて,ふっと思い立って,で,論文のフレーズが思い浮かんで,ガシガシ書く.そんな感じになっています. ▼毎日毎日論文を膨大な勢いで書いてる人もいますけど,どうやらぼくは頭の回転が悪いらしく,なにかきっかけとなる手がかりがないとどうやら書けないらしい.俺はこれを「ねずみの尻尾」と呼んでますが,まあ,ぼんくらならではかな,と半分諦めています. ▼共著したやつらは「お前は気まぐれで困る」と怒ってますが,マジすいません(笑 ▼大学教員は夏休みが長くていいねえ,といわれますが,むしろ夏休みになればなるほど忙しい,と
昨日の読了 ・田中芳樹『蘭陵王』 ・青柳碧人『浜村渚の計算ノート 3と1/2さつめ ふえるま島の最終定理』 ・竹内洋『丸山眞男の時代―大学・知識人・ジャーナリズム』 ・北川智子『ハーバード白熱日本史教室』 ・橋爪大三郎『永遠の吉本隆明』 ▼夏休みのにっき,というつもりでだらだらさくっと書ける場をいただいたら,まあありがたかったねえ.三日目にしていきなりブクマ80超えとか,ありがたいことです.また,友人けんきう者の id:librarius_I とか友人のこわーいシャチョーの id:aliliput とかまなめはうすさんとかから色々反応があってありがたい限り. ▼しかしid:librarius_Iと日記の書きあい?してると,だんだん「おれのとったカブトムシのほうがでかいだろー」という自慢合戦になりつつあるような…(^^; ▼さて.今日は高座(非常勤のことをシャレでこう読んでますw).某大学に
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