もうすぐ二十歳になる年下の友人に、わたしが彼女くらいの年齢だった頃は何を考えていたかと聞かれたので、人生のどこで何を考えていたのかを思い出しがてら備忘録を書いておく。それぞれの年齢において生活や恋愛や仕事の悩みなどは相応にあったが、それは特に年齢固有のものではないと思うので、あくまで「その年齢」に考えていたことを記録する。 (※発言は個人の感想です) 10歳の頃、世界には秘密がたくさんあって、わたしたちにはそれが隠されていると思っていた。 大人たちは世界の秘密を知っているけれど、彼らにも何か都合があるのか子どもにはそれを教えない。だから何とかしてそれを暴いてやりたいと思っていた。 市立図書館の隅っこに放置されている、小さな字の古ぼけた本、街路の植え込みの下の暗がり、無数に落ちているきれいな石やドングリの中、そういったものに世界の秘密が隠されていると思っていた。だって大人は、わたしがそういっ