大阪にある、がんの新しい治療法の臨床研究などを行う京都大学の研究用原子炉について、原子力規制委員会は運転再開の前提となる審査に事実上合格したことを示す審査書の案を取りまとめました。京都大学は早ければ、ことし10月末の運転再開を目指したいとしています。 原子力規制委員会は27日の定例会で、「KUR」について、大量の放射性物質を放出する事故を防ぐ対策や、地震や竜巻などの自然災害に対する対策が、新しい規制基準に適合しているとして、事実上合格したことを示す審査書の案を全会一致で取りまとめました。来月にも正式な審査書として決定される見通しです。 「KUR」は、脳腫瘍や皮膚がんなどの新しい治療法の臨床研究などに使われてきましたが、運転を停止して以降、研究を行うことができず、影響が出ているということで、京都大学は早ければ、ことし10月末の運転再開を目指したいとしています。