日本人初のノーベル賞を受賞した物理学者、湯川秀樹博士(1907~81)がつけていた日記のうち、太平洋戦争終戦前後の45年の内容を、京都大が21日、公表した。原爆研究に関わったことを示す記述があるほか、戦後、戦争反対や核廃絶を訴えるまでの軌跡がうかがえ、貴重な資料だと専門家は指摘する。 公表された日記には教授だった京都帝国大での講義や会議の記録、空襲被害の報道の抜き書きもある。8月15日は「朝散髪し身じまいする。正午より聖上陛下の御放送あり ポツダム宣言御受諾の已むなきことを御諭しあり。大東亜戦争は遂に終結」と記している。 湯川博士は「F研究」と呼ばれる京都帝国大での原爆研究に関わったことが知られている。日記にも「F研究相談」「F研究 打合せ会」といった記述が45年2~7月に計4回登場。本人の記述はこれを裏付けている。また、米軍が投下した原爆については「新聞等より広島の新型爆弾に関し原子爆弾