長い歴史を持ち、様々な武器や技術を生み出した中国武術の中にあって、一風変わった系譜を持つのが「苗刀(みょうとう/ミァオタオ)」です。 日本刀そっくりですが、それもそのはず、この武器のルーツはまさに日本刀でして、日本刀が中国で独自に研究され編み出されたのが「苗刀」なのです。 宋代から日本刀は貿易によって中国に伝えられており「倭刀」と呼ばれていましたが、当初はどちらかというと武器としてより美術品としての扱いでした。 中国の人たちが、日本刀の威力を知ったのは明の頃。中国・朝鮮の近海で猛威を奮った日本人中心の海賊「倭寇」によってでした。 このときの倭寇の戦いぶりと日本刀の威力はよっぽど明の兵たちの度胆を抜いたらしく、倭寇と戦った明の武将・戚継光(1528~1587)の驚愕ぶりが資料に残っているので引用します。 "此は倭寇が明に攻めてきた時初めてわかったことである。 彼らは舞うように跳び回り、前方へ