収集のため、朝早くから郵便局に並んだり、友達と交換したりと、デジタル以前の年代の人にとって、切手ならびに手紙は今よりも身近な存在であっただろう。携帯電話や電子メールの普及により、はがきの発行枚数が年々減ってきている。平成23年の官製はがき発行枚数は35億6,000枚と、ピークであった平成10年の41億9,545枚から減少しての数字だが、それでも膨大な量であることには変わりない。 日本人の慣例となっている年賀状であるが、戦後、年賀状の是非をめぐり、さまざまな議論があったことはご存じだろうか。『年賀状の戦後史』(角川書店)は、郵便学者の内藤陽介氏が、GHQの占領政策からWindows95以降の現代まで、戦後、年賀状がどのように移り変わり、取り扱われてきたかを描いた新書だ。オイルショックやストライキ、消費税導入、プリントゴッコの登場など、年賀状と年賀郵便が時代状況にいかに左右されてきたかが詳しく