中国は名目GDP成長率で日本を抜くことを目標にして投資に 重点を置いてやってきたのです。投資をすればGDPを押し上げ ることができるからです。 中国の不動産業者が投資をして、テナントビルを建てたとしま しょう。仮にそのビルに一人のテナントも入らず、まったく収益 が上げられなくても、GDP上は投資の増加としてカウントされ その分GDPを押し上げるのです。 中央の共産党指導部は、地方政府に対し、どれだけ投資をして GDPを押し上げることに貢献したかによって評価するので、地 方政府としてはなり振りかまわず、ハコモノに投資をして自分の 成績を上げようと必死になります。そこにテナントが入って利益 を上げるなどということは関係ないのです。 これが誰も住まないマンションや都市、すなわち「鬼城」── グイチェンがあちらこちらにできた理由なのです。それでも名目 GDPは伸びますから、それが積み重なって、日本