大げさなタイトルと思われるかもしれないが、シリコンバレーでスティーブ・ジョブズといえば、その魂を体現した「教祖様」のような存在。西暦がキリスト生誕の前と後で分かれているように、シリコンバレーの時代の節目は、ジョブズ抜きで語れないのだ。 まずジョブズは、1980年代にアップルを創業してパソコン時代を切り開いた。90年代のネットバブル期は彼の不遇の時代に当たるが、2001年に発売したデジタル携帯音楽プレーヤー「iPod」と音楽配信サービス「iTunes」ではデジタルコンテンツ販売の仕組みに革命をもたらした。 そして2007年に発売したスマートフォン(高機能携帯電話)の「iPhone」でシリコンバレーは「モバイル時代」へと本格的に移行。2008年に登場したグーグルのスマートフォン用OS「Android」とともにスマートフォンブームを巻き起こし、欧州の「ノキア王朝」を倒して、世界のモバイル文明の中