1951年10月、ホンダ初の4ストロークエンジン車ドリームE型が発売された。このヒットによってホンダは飛躍のきっかけをつかみ、翌1952年4月には本社を東京都中央区に移転した。本田は次々に独創的な商品を生み出し、藤澤は当時としては画期的なダイレクトメールを駆使したこれまた独創的な手法で販売網を広げていった。なかでも驚異的なヒットとなったのが1958年8月に発売されたスーパーカブである。現在まで48年間にわたって大きなモデルチェンジもなく販売され続け、累計生産台数は2005年12月時点で5,000万台と、単一のシリーズとしては世界最多の生産台数を記録している。 一世を風靡したヒット作「カブF型」。 藤澤武夫はこの時、日本全国の自転車店にダイレクトメールを送って、一気に自前の販売網を作り上げ、カブF型は大量生産に入った(1952年6月発売)