就職活動の経験者なら思ったことがあるかもしれない。就活って化かし合いだな、と。お互いに目に見えない仮面をかぶった会話に終始し、企業の採用担当者が本当はどう思っていたのか最後までわからなかったなんてことも少なくない。いったい本音はどうなのか。匿名による採用担当者らの「覆面座談会」で、就活生の素朴な疑問について語り合う。2020年1月末、3人の採用担当者を招いた第2回の覆面座談会。後半のテーマは「エ
就活生について調査・研究をしていると、「今どきの若者は○○だ」とする大ざっぱな「若者論」が、就活生に対しても向けられるシーンを多く目にします。企業の合同説明会に群れをなして並ぶ学生、リクルートスーツに身を包んだ学生を一べつしながら、多くの人は「今どきの学生は真面目だ」「挑戦心が無い」などと、一くくりに見ていきます(多くの場合、そこから「自分たちの頃は...」と昔話が始まります)。 なぜ「就活生」は一くくりにされる? 社会心理学の知見を参照すれば、こうした就活生へのステレオタイプな見方には、ある程度の説明がつきます。1つは、人は自分の「外」にいる集団のことを均質なものだと見なす、外集団同質性バイアス(out-group homogeneity bias)の働きです。人は「仲間」ではない他人のことを、大ざっぱにしか見ようとしないということ。90年代以降、リクルートスーツのデザインが男女ともに均
就職情報サイト「リクナビ」の運営会社が、学生の内定辞退率を予測し、企業に販売していた問題で、政府の個人情報保護委員会は、新たに不適切な情報の取り扱いが明らかになったとして運営会社に2度目の勧告を行うとともに、データを購入していた37の企業にも指導を行いました。 その後、委員会がさらに調査を進めた結果、リクルートキャリアは、個人を特定しない形で企業側にデータを販売していたものの、企業側が学生のIDなどを分析すれば、容易に個人の特定が可能だったことが分かりました。 委員会は、リクルートキャリアが、この仕組みを知りながら販売を続けていたと指摘し、極めて不適切な情報の取り扱いだったとして4日付けで個人情報保護法に基づく2度目の勧告を行い、組織体制の見直しなどを求めました。 また、データを販売されていた学生の数は、当初、今年度分のおよそ8000人とされていましたが、調査の結果、昨年度の分も含め、およ
2019.05.26 07:05 内定辞退マナーなど言語道断、破綻しつつある新卒一括採用と終身雇用の構造 物議を醸した内定獲得後の「マナーセミナー」 何かと話題になることの多い就職活動(就活)だが、それはまた炎上のネタを投下する人が跡を絶たないということでもある。最近もまた、「内定を辞退する際には直接会って言え」と書いた日経新聞[y1] の記事が論議を呼んでいた。 といっても、日経の主張というより、学習院大学が学生向けに開いた「内定獲得後のマナーセミナー」を紹介する記事だ(記事では「内定」とあるが、記事を読む限り内定と内々定を厳密に区別した議論ではなさそうにみえる。実際、法的性格や儀式はともかく、内々定は企業が大人の事情で内定を出せないタイミングで就活者を囲い込むための方便なので、裁判にでもならなければ事実上区別する意味はあまりない。本稿でも区別しない)。 講師曰く ・「自分を選んでくれた
1年前から焦る後輩 就職=懲役 「みんな一緒の就活」はもう無理 大学生の就活にはいま、二つの世界がある。「ナビサイトに登録して、大学3年の3月1日から企業説明会、6月1日から面接選考」というテンプレートな就活と、「選考はいつでも。インターンは何年生からでも。テンプレ就活が始まる頃には、だいたい内定が決まっている」という就活。この差はなんだろう。当事者たちに、話を聞いた。 就活解禁日は「むしろ遅い」 慶応大学4年の小林楓さんは先日、1学年下の後輩から相談を受けた。 「とりあえず合同説明会に行ってみたんですけど、これからどう就活したらいいんですか?」 経団連が決めてきた就活ルールでは、企業説明会の解禁、つまり就活のスタートは「大学3年の3月1日」。 いまの小林さんの学年が対象で、後輩は丸1年早い。「もう行ったの?」と驚きつつも、小林さんは話を聞いた。 「先輩は1年前に何をしましたか?」「自己分
東大4年生・若手作家インタビュー どうも皆さん、「何者」である。外資就活ドットコムのコラムで言うのも変な話であるが、ちょっとここの記事、紋切り型の「ファーム上がりの~」とか「外銀でのキャリアの~」とかで始まる記事が多すぎないであろうか。こうした記事にとり上げられる人はすごいかも知れないが、こうも何度も読むと流石に飽き飽きしてくる。パターン認識というやつだ。編集部に何度か文句を言っているのだが、これは高学歴層が読むには少し妙味に欠ける。多様性に遊び多様性を貴ぶのがインテリジェンスというものである。 なので、今回はずっとやるやる言っていたインタビュー記事なのだが、趣向を変えて私の友人の一人、東京大学の4年生で若手作家として活動しているMくんにインタビューして、「キャリア」や「将来やりたいこと」について談義しようと思う。 私がインタビュアーだと皆しきりに名前を伏せてほしがる。なので今回もMくんに
JR大阪駅近くの外資系ホテルのラウンジに向かうと、約束の時間より早く到着していたその女性は、こちらに気づき立ち上がって軽く会釈した。関西在住の国立大学の大学院修士2年、島本渚さん(23、仮名)。大学院では社会学系を専攻しているという。 すらりと背が高く、ゆるやかに巻いた黒髪に上品な顔立ちで、23歳という年齢よりも落ち着いた雰囲気だ。 彼女と会うきっかけは、編集部に届いた一通のメールだった。 「私が就活で感じた違和感について少し納得することができました」 女性の就活についてのBusiness Insider Japanの記事への感想とともに就活体験が綴られていた。その体験はもとより、丁寧かつ論旨の通った文面に表れる切実さが気になり、会えないかと連絡をとったのだ。 関連記事:就活「男女格差」が女子学生を総合職から遠ざける——新卒採用は女子の才能のムダ使い 「研究職や非営利団体での活動も考えまし
その同社が開催するインターンの説明会だけに、集まったのは留学経験のある英語ペラペラ学生やトップ大学の限られた精鋭ばかり……と思いきや、さにあらず。「書類選考は一切、していません。応募してきた人の中から抽選で選んでいます」と中道靖高氏(ゴールドマン・サックス・ジャパン・サービスの人事部ヴァイス・プレジデント)はさらりと述べる。 楽天みん就(みんなの就職活動日記)が実施した「2019年卒インターン人気企業ランキング」の中で、ゴールドマンは志望理由別ランキング「その企業の採用に有利になりそう」で1位となった(調査概要は本文最後を参照)。 《各種ランキングの結果はこちらをご覧ください》 2019年卒 志望理由別ランキング「その企業の採用に有利になりそう」 順位 企業名
全国で「地方創生」が声高に叫ばれる一方、毎年数万人の地方学生が首都圏で就職する。上京する彼らは多額の交通費と滞在費を掛けて、スマートフォンで地図と就職情報サイトから届く通知を確認しながら就活に励む。本連載は、東京で就職を考える学生たちの座談会を通して、現代の若者が地方と東京をどのように比べているのか明らかにしたい。集まったのは北海道、秋田、岩手、愛知の4道県出身の5人。5人は地方学生の就活を支援する(株)地方のミカタ(新宿区)でインターンをしながら、シェアハウスで都内に長期滞在した経験を持つ。なぜ東京に関心を持ったのかを探った1回目では、学生たちが地方の現状に閉塞感を抱いていることが分かった。【第1回:なぜ地方の大学生が地方を離れるのか?】【最終回:若者にとって地方はいいところ?】2回目は、自分が感じた地方の良いところ、悪いところについて。アルバイトの話では地方の現実が垣間見えた。※学生の
学生が長期休暇に入る夏は、企業によるインターンシップの開催が盛んになる。IT業界で屈指の人気を誇るインターンシップが、富士通システムズ・イーストの「Fujitsu Group Internship」。同社が主催し、富士通マーケティング、富士通ソーシアルサイエンスラボラトリなど富士通グループ7社が参加する取り組みだ。 Fujitsu Group Internshipは、就職活動中の学生の多くが利用する楽天の情報交換サイト「みんなの就職活動日記」による、「先輩たちが薦めているインターンシップランキング50」で、IT企業首位となる総合7位を獲得した(図)。同ランキングは、2013年1月~2016年3月までに投稿されたインターンシップ体験記の評価を基に算出されたもの。実際に参加した学生の満足度が高いことがうかがえる。 図●楽天「みんなの就職活動日記」が公開する、「先輩たちが薦めている インターンシ
わが社だけに合う人材を選び抜くピンポイント採用 今、採用市場が揺れている。景気回復に伴って、大手を中心に企業の採用意欲はますます高まり、2016年卒の大卒求人倍率は1.73倍と売り手市場化が進んでいる。一方、経団連の指針により、採用活動は例年より3カ月遅い3月スタートとなり、就活のピークは8月になる見込み。もはや、従来通り横並びの採用活動をしていては期待する人材が採用できない、と各社の採用担当者は危機感を募らせている。 そうした中、地方にありながらも独自の採用を打ち出すことで、リクナビなどのいわゆる“就活ナビ”を使わず、国内外から優秀な人材を集めることに成功している地方企業がある。 「雪の宿」「チーズアーモンド」などで知られる新潟の米菓メーカー三幸製菓だ。おせんべいに対する愛を語る「おせんべい採用」、新潟出身者以外が新潟好きをアピールする「ニイガタ採用」。勉強一筋の学生向けの「ガリ勉採用」
マスメディア採用担当者による徹底議論 デジタルもジャーナリズムも――コミュニケーション能力の高い若者たちよ、来たれ 堤和彦 吉山隆晴 橋爪尚泰 岡本峰子 水島宏明 就職先としてのメディアの人気の低下が言われる中、各メディアの採用担当者に、採用活動で力を入れている点や、求める学生像について、本音で語り合ってもらいました。大学でのジャーナリズム教育、各社のインターンシップ、ワーク・ライフ・バランスに関する取り組みなどについても、熱心に議論が交わされました。(『Journalism』編集部) (司会はジャーナリスト・法政大学社会学部教授・水島宏明氏) 水島 法政大学の水島です。札幌テレビを経て3年前まで日本テレビにいまして、それ以降、法政大学社会学部でジャーナリズムを教えている立場です。最近学生から就活についての相談も受けることがあります。 まず、どんな人材を各社採用したいのかですが、私自身問題
売り手市場といわれる今年の就職戦線だが、学生は相変わらずお揃いのリクルートスタイルを身にまとう。個性を尊重すると公言する企業に、なぜ学生は没個性のスタイルで挑むのか。 学生は「こだわって」あのリクルートスタイルを身に着けている? オフィス街にリクルート姿の学生が目につく季節となりました。就職協定による選考活動の開始は8月1日となっていますが、実質的には企業の採用活動と学生の就職活動はすでに動き出しているようです。 学生がスーツを着ていても一目でそれと分かるのは、同じフォーマットだからでしょう。スーツの色、シャツやネクタイのデザイン、髪型や持ち歩くカバンにも共通のプロトコルを感じます。多くの学生の中から選ばれる過程で、どの学生も自らの個性を消すかのように、同じに見えます。 いま企業が採用したい人材の条件は明らかに変わってきました。欧米に追い付け追い越せの時代には、目標もそこへの到達プロセスも
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