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ブックマーク / www.business-research-lab.com (18)

  • 欲求階層説は正しいのか:実証研究から見える課題 | ビジネスリサーチラボ

    人の行動の原動力は何でしょうか。お金や地位へのこだわりでしょうか。それとも、自分の可能性の実現でしょうか。こうした動機づけの源泉について、長年議論が重ねられています。 その中でも広く知られているのは、マズローによる「欲求階層説」でしょう。マズローは人の欲求を5つに分類し、下位の欲求が満たされると上位の欲求が生じるという階層性を主張しました。 欲求階層説は一見、人の行動をうまく説明しているように思えます。しかし、この理論には様々な批判が存在します。 コラムでは、欲求階層説への批判を紐解いていきます。それらの検討を通じて、人事領域の皆さんに示唆を提供したいと思います。 欲求階層説とは 欲求階層説は人の動機づけを5つの階層に分類した理論であり、マズローによって1943年に提唱されました。具体的には、人の欲求は、生理的欲求、安全の欲求、社会的欲求、尊重の欲求、自己実現の欲求という5つに分けられま

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2024/05/07
    「マズローは理論を提唱するにあたって厳密な実証研究を行っていません。後の研究でも理論を強く支持する結果は得られていないという批判があります。」
  • 自分を思いやる:セルフ・コンパッションの効果と注意点 | ビジネスリサーチラボ

    仕事をしていると、様々な困難やストレスに直面します。そんな時、自分自身に優しく接することができているでしょうか。自分の苦しみに気づき、それを和らげるために自分自身に優しさを向けることを「セルフ・コンパッション」と呼びます。 コラムでは、セルフ・コンパッションについて解説していきます。セルフ・コンパッションがもたらす効果や、それを高めるための方法について、研究知見を交えながらお伝えします。 セルフ・コンパッションを職場で実践するためのヒントも提供します。例えば、上司と部下の関係性の中で、どのようにセルフ・コンパッションを促進できるのでしょうか。 一方で、セルフ・コンパッションを極端に適用することで生じるリスクもあります。自己改善の妨げにならないよう、適切なバランスを保つことの重要性も述べます。 セルフ・コンパッションとは セルフ・コンパッションとは、困難やストレスに直面した際に自分自身に優

  • テレワーカーの評価に対する納得感:伊達・能渡(2021)に基づいて | ビジネスリサーチラボ

    2020年に始まった新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、働き方に大きな変化をもたらしました。多くの組織で、テレワークが導入されるようになったのです。 テレワークの普及は、働く人々にプラスの影響を与えた一方で、新たな課題も生み出しました。例えば、上司と部下のコミュニケーションのあり方や、人事評価の方法などです。 特に、テレワークでは部下の様子が見えにくくなるため、「自分の成果が正当に評価されるだろうか」と不安を感じる人が少なくありません。評価への納得感をいかに高めるかは、テレワーク時代の重要な人事課題です。 そのような問題意識のもと、私(伊達洋駆)は当社チーフフェローの能渡真澄と共著で論文を執筆しました[1]。コラムでは、論文の内容を紹介しながら、テレワークでの評価をめぐる現状と、上司に求められるマネジメントのあり方について考察します。 テレワーク下の評価をめぐる現状 新型コロナウイ

  • 越境学習の新視点:内集団・外集団の知見から考える | ビジネスリサーチラボ

    現代の企業においては、新しい価値創造のために、社内外のさまざまな人と関わることが求められています。そのような中で注目されているのが「越境学習」です。 越境学習とは、慣れ親しんだ場所(ホーム)と不慣れな場所(アウェイ)を行き来することで生まれる学びのことです。筆者は法政大学大学院の石山先生と一緒に『越境学習入門 組織を強くする「冒険人材」の育て方』(日能率協会マネジメントセンター)というを書き、このテーマについて探求してきました。 コラムでは、越境学習を内集団・外集団の研究成果という新しい角度で捉え直すことで、実践に役立つヒントを見つけることを目指しています。理論の構築を狙うのではなく、実際に使えるアイデアを見つけることに重点を置きます。 越境学習とは何か 越境学習の基的な考え方を見ていきましょう。越境学習においては、ホームとアウェイを行き来する中で学びが生まれると考えます[1]。

  • 心理的安全性を再考する:『心理的安全性 超入門』の著者が語る(セミナーレポート) | ビジネスリサーチラボ

    ビジネスリサーチラボは、2024年2月にセミナー「心理的安全性を再考する:『心理的安全性 超入門』の著者が語る」を開催しました。 心理的安全性が注目を集め続けています。一方で、心理的安全性をめぐっては様々な意見があります。 心理的安全性は誤解されている 心理的安全性はぬるま湯ではない 心理的安全性を高めても意味がない 変な形で高めると、むしろマイナスでは など 結局のところ、心理的安全性とは何なのでしょうか。そのことを考え、心理的安全性について整理するセミナーとなりました。 ビジネスリサーチラボ代表取締役の伊達洋駆が講師を務め、心理的安全性にメスを入れています。伊達は2023年5月に『60分でわかる! 心理的安全性 超入門』を上梓しています。 ※レポートはセミナーの内容を基に編集・再構成したものです。 心理的安全性の副作用を考える 心理的安全性とは 初めに「心理的安全性」について整理して

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2024/03/10
    「心理的安全性の副作用の一例として、功利主義のチームでは、心理的安全性が高まると非倫理的な行動が増加することが検証されています。…成果や効率性を最優先し、結果の最大化を目指す傾向の強いチームのこと」
  • テレワークを再考する:"オフィス回帰"をどう捉えるか(セミナーレポート) | ビジネスリサーチラボ

    ビジネスリサーチラボは、2024年1月にセミナー「テレワークを再考する:”オフィス回帰”をどう捉えるか」を開催しました。 新型コロナウイルス感染症の影響で、テレワークが急速に広まりました。テレワークでの仕事の進め方に慣れた人も多かったのではないでしょうか。 しかし今、多くの企業がオフィス回帰を模索しています。テレワークの長所・短所を改めて評価すべきタイミングと言えます。 セミナーでは、企業がテレワークとどう向き合うと良いかを考えるために、研究知見を基に、テレワークの特徴を深掘りしました。 講師は、ビジネスリサーチラボ代表の伊達洋駆とフェローの能渡真澄です。伊達と能渡は共著でテレワークに関する論文も書いています。 ※レポートはセミナーの内容を基に編集・再構成したものです。 伊達・能渡 (2021)の研究紹介 能渡: オフィス回帰が進む中で、テレワークと出社の選択は重要なテーマです。私の講演

  • ネガティブ・フィードバック:耳の痛い話の伝え方 | ビジネスリサーチラボ

    コラムでは、ネガティブ・フィードバックに焦点を当てます。詳細は後述しますが、ネガティブ・フィードバックとは、相手に改善点を指摘することです。 ネガティブ・フィードバックが必要な場面はありますが、時には相手を傷つけ、逆効果となることもあります。取り扱いが難しい行動です。 ネガティブ・フィードバックをどのように行えば良いでしょうか。フィードバック研究の知見を手がかりに、この問いにアプローチするのがコラムの目的です。 コラムをお読みいただくことで、ネガティブ・フィードバックを実施する際のヒントを一つでも得られれば幸いです。 ポジティブ・フィードバックとネガティブ・フィードバック 仕事の中でフィードバックを行う機会はたくさんあります。例えば、年に一回の面談で部下のパフォーマンスを評価することや、プロジェクト終了後の振り返りを行って次に活かすことがあります。 定期ミーティングなどで進捗を確認す

  • 職場で成長を促すには:教育と学習の2つの観点から | ビジネスリサーチラボ

    若手社員に焦点を当てた組織サーベイを実施した経験があります。そこで目にした一つの顕著な傾向は、成長を感じられない人ほど、離職の意向が高いということです。 また、採用プロセスにおける内定者調査を実施する中で、入社後の成長を重視する求職者が多いことにも気付きます。成長を大切にし、望んでいるにもかかわらず、多くの人が何らかの形で成長の実現に困難を感じているようです。 成長を促進するには、どうすれば良いのでしょうか。コラムでは、二つの観点からこの問題にアプローチします。 一つの観点は、周囲が人に何かを教えた際、教えた内容を活かしてもらうために何が必要かという点です。もう一つの観点は、他者からの指導なしに自ら学ぼうとする人材を育てるために必要なのは何かという点です。 前者は教育の側面に注目するもので、受動的に見えるかもしれませんが、成長には不可欠です。後者は学習の側面に注目し、能動的であり、近年

  • 組織を変える・組織が変わる:組織変革の理論と実践(セミナーレポート) | ビジネスリサーチラボ

    ビジネスリサーチラボは、2023年12月にセミナー「組織を変える・組織が変わる:組織変革の理論と実践」を開催しました。 外部環境が変化すると、それに適応するために組織も変わる必要があります。しかし、組織を変えるのは、とても難しいことです。 組織を変えようとする際、何が起きるのでしょうか。どうすれば、組織を変えることができるのでしょうか。 ビジネスリサーチラボ代表取締役の伊達洋駆が、「組織変革」について解説しました。人や組織、カルチャーを変えようとしている方におすすめの内容です。 ※レポートはセミナーの内容を基に編集・再構成したものです。 1.組織変革の際に抵抗が起こる理由 セミナーでは、組織変革について3つの側面を掘り下げていきます。まず、組織変革に抵抗が生じる理由を解説します。次に、組織変革の初期段階に重要となる考え方について説明します。最後に、組織変革を進めるための9つのポイントを

  • 心理尺度の作り方 応用編 質問内容が生む系統誤差とその対処 | ビジネスリサーチラボ

    当社が以前公開したコラム「心理尺度の作り方・考え方:組織サーベイの質問項目作成のポイント」では、妥当性・信頼性・公平性を土台に、良い質問項目の作成方法を解説しました(以降、このコラムを「心理尺度コラム」と呼びます)。 コラムでは、心理尺度コラムの内容を掘り下げて、組織サーベイにおける質問項目をより良いものにするための詳細なポイントを、その背景知識と合わせて追加解説していきます。 なお、コラムは発展的な内容を扱うため、心理尺度コラムに加えて、以下のコラムの内容を把握していることを前提に、解説します。 確認的因子分析とは何か 人事のためのデータ分析入門:「相関」とは何か 統制とは何か α係数とは何か 質問内容の洗練:定義に何を含め、何を含めないか 心理尺度コラムにおいて、組織サーベイの質問項目を作成する際のポイントとして「概念の定義を定める」ことを強調しました。測定したい物事や概念は、いっ

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2023/06/24
    「定義に含めていない側面を含めて質問項目を作成した場合、相関分析や回帰分析など関連性の検証において、関連の強さが変わってしまいます。そのため、定義に含めていない側面が質問内容に入らないよう注意する」
  • アンケート以外のデータ収集方法:縦断的調査、実験室実験、生理学的指標、IAT、日誌法、経験サンプリング法の紹介 | ビジネスリサーチラボ

    TOP 最新情報 コラム アンケート以外のデータ収集方法:縦断的調査、実験室実験、生理学的指標、IAT、日誌法、経験サンプリング法の紹介 コラムでは、学術研究で用いられる、データの測定方法について解説します。適性検査や組織サーベイなど、学術的な方法を用いてデータを集める試みが、近年は人事の領域において浸透しつつあります。その多くは、いわゆるアンケートの形式をとる「質問紙調査」と呼ばれる手法ですが、学術研究では、そのほかにも多くの方法が開発されています。 コラムでは、質問紙の利点と限界を振り返ったうえで、限界に対処するために利用可能な方法について、最新の研究事例と共に紹介します[1]。 質問紙法の特徴 質問紙法の特徴について確認します。アンケート調査とほぼ同義ですが、様々な項目を用意し、その回答をもって、回答者個人や想定する集団の傾向を確認することに用います[2]。 質問紙法は、目的や測

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2023/03/25
    「質問紙の限界点に対応する測定法を紹介してきました。ただし、これらの方法についても、やはりいくつかの限界があります。コスト、侵襲性、生態学的妥当性という3つの観点から考えていきます。」
  • 組織市民行動のダークサイド: 主体的な役割外行動の光と影 | ビジネスリサーチラボ

    病気をしたら薬を飲みますが、薬には主作用と副作用の両方があります。例えば、熱を下げる主作用を持つ薬には、副作用として胃が痛くなることがあり得ます。 同じように、人と組織をめぐる心理や行動にも主作用と副作用があります。このうち、副作用のことを学術的には「ダークサイド」と呼びます。 ある概念のダークサイドに関する研究は、主作用に光を当てた研究より少ないのが特徴です。その概念を研究する人は、その概念を推進することに動機づけられるからです。ダークサイドにわざわざ注目しようとしません。 それでも少数ながらも、ダークサイドの研究が提出されているのが学術界の興味深いところです。ダークサイドに関する知見を得ることで2つの意義があります。 一つは、「主作用とダークサイドを比較し、主作用の効果が上回れば、それを導入する」といった具合に検討ができます。もう一つは、ダークサイドを事前に把握しておけば、対策の練りよ

  • エンゲージメント入門:2つのエンゲージメントとその高め方 | ビジネスリサーチラボ

    「エンゲージメント」という言葉は市場に広まり、さまざまな定義を持つようになりました。コラムではエンゲージメントとは何かを解説したのち、エンゲージメントを「組織コミットメント」と「ワークエンゲージメント」の2種類に分けます。それぞれの意義・高め方・副作用を、学術研究を参照しながら説明します。 「エンゲージメント」という言葉の広がりと背景 人事系のカンファレンスなどでもエンゲージメントという言葉の含まれたセッションを多く見かけます。エンゲージメントは人事の世界で半ば定着したといってもよいでしょう。 さらに近年、エンゲージメントが人的資の開示項目のひとつとして挙げられており、関心に拍車がかかっています。中期経営計画にエンゲージメントの目標数値を掲げる企業もあるほどです。人事領域においてエンゲージメントは今後も注目され続けていくでしょう。 「エンゲージメント」の多様な定義と注意点 「エンゲージ

  • 心理尺度の作り方・考え方:組織サーベイの質問項目作成のポイント | ビジネスリサーチラボ

    組織サーベイを実施するときに悩むことのひとつとして、「測定したい物事や概念を、どうやって測定すればよいか」があります。 例えば、「仕事に対するやる気を高めたい」と考え、やる気につながる要因を検証する組織サーベイを設計するとします。サーベイで測定すべき様々な指標として、従業員のやる気はもちろんのこと、それに関連するものとして、職場の人間関係の良さ、不満の大きさなど、様々な側面をピックアップするでしょう。 調査で測定する指標・概念が決まったら、サーベイの具体的な内容を掘り下げます。その際に、「これらの指標は、どうやって測定すれば適切な検証につながるのだろう」と疑問を感じるのではないでしょうか。 人の感覚や意欲、物事の認識の仕方などについて、それらがどの程度あるか数値を割り当てる道具を「心理尺度」と呼びます。組織サーベイで用いる種々の質問項目も心理尺度に含まれるものです。 「測定したい様々な心理

  • 出版記念対談:『オンライン採用』の行方(セミナーレポート)

  • 心理尺度とはなにか? -良いアンケート調査の質問の条件-

  • 組織サーベイ結果の「粘着性」を乗り越える

    組織内の状況をデータとして収集し、組織開発を進めるという姿勢は以前にも増して高まっている印象があります。 その一方で、“実は、かつて実施した組織サーベイのデータは「お蔵入り」しています”というケースをこの1年の間に何度か立て続けに目の当たりにしました。

    組織サーベイ結果の「粘着性」を乗り越える
  • バーチャルチームを率いるリーダーに求められるもの 〜e-leadership研究の見地から〜

    はじめに コンサルティングフェローの神谷です。 新型コロナウィルスの感染が拡大し、多くの方がリモートワークでの業務従事を余儀なくされている現状かと思います。 今回のコラムでは、この業務環境の劇的な変化を踏まえ、バーチャルチームのリーダーに求められる要素に焦点を当てます。 “バーチャルチームが機能するために、リーダーには何が求められるのか?” バーチャルチームを率いるリーダーに求められるe-leadershipという概念に注目し、特に重要であると考えられるポイントについて紹介していきたいと思います。 e-leadershipとは 最初に今回のコラムで扱うe-leadershipという概念について説明します。 e-leadershipの代表的な定義を見てみましょう。 “個人、グループ、組織の態度、感情、思考、行動、パフォーマンスの変化を生むために高度情報技術によって媒介された社会的影響力のプロ

    バーチャルチームを率いるリーダーに求められるもの 〜e-leadership研究の見地から〜
    yyamaguchi
    yyamaguchi 2020/08/13
    「物理的に接触が制限されている環境で、ICTツールを駆使してチームのパフォーマンスを促していく際に求められるリーダーシップ、それがe-leadershipです。」
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