富士山の山梨県側の麓と5合目を結ぶ富士山登山鉄道構想の実現可能性を議論する県の検討会(会長・御手洗冨士夫経団連名誉会長)がまとめた基本構想素案は、運賃を往復1万円と想定している。世界文化遺産の富士山は国連教育科学文化機関(ユネスコ)から来訪者の抑制を求められていることもあり、長崎幸太郎知事はキーワードを「上質な観光地」と表現した。(渡辺浩) ユネスコからの指摘「富士山の本来の価値を生かし、上質な観光地へと転換していくことが求められる。登山鉄道は環境にやさしく、かつ贅沢(ぜいたく)さや旅の満足感を感じられる乗り物ではないか」。長崎知事は2日に国会内で開かれた検討会理事会で、登山鉄道の意義を説明した。 さらに「周辺地域全体の高品質化、高付加価値化を進める。北海道、東京、京都に並ぶ新しい日本の観光の柱となるようにしたい」と、世界の富裕層にも魅力を感じてもらえる地域づくりを強調した。 富士山は20