論文査読は学術ジャーナル出版の根幹を支える重要な役割を果たしているが,科学の発展のために学術コミュニティーが負うべき必要な貢献として認識され,その作業を担っている査読者の功績が評価されることはまれだった。2012年に設立されたPublonsは,「査読をより迅速で,効率的かつ効果的にすることで科学を加速化する」を使命に掲げ,研究者の査読活動を支援するツールを提供している。 研究者がPublonsにアカウントを開設すると自身のプロファイルと統計閲覧のページが付与される。 プロファイルページには実施した査読を登録することが必要になるが,査読後にジャーナル編集部門から届くレビュー受理のメール(Thank youメール)をPublonsに転送するとPublonsが登録を代行してくれるので研究者の負担が軽減される。また,Publonsと提携しているジャーナルの場合は自動で登録が完了する。 Publon
2016年6月8日、米国大学出版協会(AAUP)が、高品質なピアレビューの基準を概説したハンドブック“Best Practices in Peer Review”を公開しました。 Twitter(@aaupresses,2016/6/8) https://twitter.com/aaupresses/status/740543213610631168 Handbook of Best Practices in Peer Review Published Outlines High Standards in Peer Review for Scholarly Monographs(AAUP,2016/6/8) http://www.aaupnet.org/news-a-publications/news/1459-handbook-of-best-practices-in-peer-revi
A journal is retracting a paper on the purported harms of vaccines against COVID-19 written in part by authors who have had similar work retracted before. The article, “COVID-19 mRNA Vaccines: Lessons Learned from the Registrational Trials and Global Vaccination Campaign,” appeared late last month in Cureus, which used to be a stand-alone journal but is now owned by Springer Nature. (It has appear
前書きは省略。前回の記事を参考にして欲しい。 2つめ、3つめのケースはコピペ。つまり剽窃だ。 2つめのケースでは少なくとも1段落丸ごとコピペされていた。不正を感づかせたポイントはただ1つ、単語間にスペースがなかったり、不自然な改行があったり。もはや人に見せる体のものとは思えなかった。 「いったいこの著者に何があったのか?」 「間違ったファイル形式のものでもアップしたのか?」 「読みにくいから文章くらいしっかり書かせろってエディターに連絡しようかな...」 などと考えている時にピンときた。 「これはPDFからコピペした時にたまになるやつや」 適当な文章をGoogleに放り込んだら見事にヒット。元ネタのURLをエディターに連絡して終了。所要時間は10分程度。時間は短いけどこんなことに使いたくないよ。多分、その段落以降もコピペだと思うがチェックしていない。 3つめのケースは自分の論文からコピペさ
査読は面倒だ。最近はいくつかの雑誌でその年のreviewerリストを公開しているようで、それなりの雑誌に名前が載っているとうれしいのだが、それ以上でもそれ以下でもない。ただ現状では査読システムがないとうまく科学が回らないのも事実で、科学に少しでも貢献できればと思って自分の時間を削ってでも基本的に引き受けることにしている。 そしてこれまでに査読において3回「不正」のある論文に出会った。後進のためにも情報を記そうと思う。 1つめは少し前の話。査読で回ってきた論文がいわゆる捏造論文だった。研究室レベルでは過ちが起こらないように性悪説に基づいた対応も必要かと思うが、査読は性善説に基づいて行われる。いつぞやの事件の時になぜ査読者が捏造を見破れなかったのか?などと世間でも問題提起されていたこともあったが、そんなものは査読者の義務ではない。 ということで基本的によほど怪しい論文以外は捏造を疑いもしないの
特集:「研究倫理」の編集にあたって 2015年度の最後となる特集は「研究倫理」です。 “科学(学術)情報流通における倫理問題は,実に古くて新しい問題である。問題の現象面に関しては,発生するたびに新聞などの媒体でも報じられているので,ことさら言及する必要はなかろう。問題は,情報技術の進化と共に科学情報流通の速度が急激に速まり,日常生活の様々な側面に影響を及ぼす速度が速くなり,大なり小なり影響を蒙る。~中略~ 我々は不正を単に倫理的に断罪すれば良いのであろうか・・・” (本紙2001年12月号:特集「科学情報の倫理」前書きより) 前回の関連特集からはや15年近くが経ち,ICT技術の発展により研究活動は大きくその様相を変えています。インターネットのさらなる普及と研究情報のオープン化が進むなか,問題は国境や専門分野を越えてより複雑に,より深化しつつあるように見受けられます。本年1月に閣議決定された
Nature誌オンライン版に、2016年2月10日付けで”Does it take too long to publish research?”と題した、査読を経て研究成果を発表するまでにかかる時間の長さに苦しむ研究者の姿や出版までにかかる時間の実態を紹介した記事が掲載されています。また、同記事に対する読者の反響のまとめが2016年2月15日付けで掲載されています。 2月10日掲載の記事では、複数の雑誌から、査読に回すことすらなく論文を却下されたり、査読者から大幅な変更を求められて対応するも却下されるなどし、最終的に論文が出版されるまで23カ月かかった実例等が紹介されています。一方、Nature誌の依頼によって行われた論文の受理から出版までにかかる期間の調査結果も紹介されていますが、この結果によれば各雑誌内での出版までにかかる期間はほとんど変化していないとのことです。ただし、一度却下された
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