いまから10年ほど前、東京大学教養学部で担当していた「情報処理」の授業、2002年頃と思いますが、文科I・II類のクラスで、「先生さー」と声をかけてきた2人組の男子学生のお話を前回からご紹介しています。 「何させたいんだか分かんねーんだよね」 どこでどういう教育を受けてきたのか知らないけれど、こりゃまた凄い口の利き方だな、と思いつつ、「どうした?」と応じると、 「問題、何させたいのかよく分かんねーんだよ。これこれやれって言われたら、それやってやっからさ、何したら『優』くれんの?」 と言う彼らは、「試験対策プリント」その他で、安っぽく粗製濫造された「共有解答例」に嵌まってしまっていたわけです。 そして、学生たちが実のある学習の機会を逸することのないように僕が工夫した「テーラーメイド・カリキュラム」で、早道のインチキが通用しないのにイラついたのか、わざわざ教卓までやってきたのでありました。 前