数日前に私は、少しの間ひどいパニックに見舞われました。どうしてもペンが見つからなかったからです。大事なペンを失った私は、エリザベス・キューブラー=ロスがモデル化した「悲嘆のプロセス」に陥りました。 否認:「たぶん、ペンなんて必要ないんだ。ペンなんかいらない!」 怒り:「あのいまいましいペンはどこ!?」 取引:「気の利く素敵なボーイさん、チップをはずむからペンをいただけないかしら?」 そして、ついに最後のステージへと至りました。 受容:「ペンの代わりになるものを探すしかない」 その時にどうしてもペンが必要だったのは、あるアイデアがひらめいていたからです。書きつける前に、そのアイデアがすーっと消えてしまうのが怖かったのです。私が思いつくアイデアはとても逃げ足が速く、ちょっと気を逸らしたら最後、たちまち見失われてしまいます。だから、すぐにノートを取り出して書き留める、という習慣をつくりあげていた
キーボード入力は、短時間に大量の文字が書けて効率的。だからと言って、手書きをまったく止めてしまうというのはもったいないです。実際に鉛筆と紙で何かを書くことは、物覚えや思考の手助けとなります。手で書く習慣がないのであれば、実際に手で書いてみるとメリットを感じられるはずです。米誌『ウォールストリートジャーナル』には、子どもにとって手で書くことがいかに大切であり、大人にとっても頭を働かせ続けるのに効果的という記事がありました。キーボードで文字を入力するよりも、実際に手で文字を書くと、脳に刺激が与えられ、よりシャープになるようです。 新しい文字、例えば漢字の勉強をする際に、手書きで文字を練習した方が覚えがよくなると研究者は言っています。頭脳をシャープにしたい壮年期の大人にとって、手で書くことは何かを認識するいい練習になる、と言う医師もいます。いくつもの研究で、多かれ少なかれ手書きという古典的な学習
手書きでスペリングの練習をするのは無意味で、たんなる先生の嫌がらせ? そうではない、と専門家は言います。それどころか、子どもをさらに賢くする、と。 「Health Key」の記事によると、「子どもは手書きでスペリングの練習をした方が、ただ文字を見たり唱えたりするよりも、認知能力が向上する」という研究結果が出たそうです。手書き練習はさらに、復唱とは違った、大人に近い脳の活性化パターンを生み出します。 また、「作文も手書きにした方が、コンピューターを使ったときより書く量が多く、スピードも速い上、文法ミスも少ない」という研究結果が報告されています。こうした研究結果は直観的に納得がいきます。先ほどの記事で、作業療法士のKatya Feder氏は、文字を手で書くことで、「運動神経系が脳へと統合されるのです」と語っています。手で文字を書くときの身体の動きは、キーボードで書いているときとはかなり異なりま
以前の記事でまとめたように、文章を書く時にもっとも大事なのは「集中力が維持できるかどうか」です。著者である作家のPatrick McLean氏は大のテクノロジー好きですが、執筆作業にパソコンは使わず、手書きで行うようにしたそうです。 テクノロジーは友達? それとも、友達のふりをしているだけ? 私はテクノロジーが好きです。いや、「大好き」と言っていいでしょう。ただ、テクノロジーが私をどう思っているかはよくわかりません。忠実な友達、気の合う仲間かもしれませんが、友達のふりをしているだけかも。文章を書く場合は、なおさらその可能性があります。 私は現在、本を執筆中です。その中ではロマンチックなことも書いていますし、素敵な仕事だと思う人もいるかもしれませんが、そもそも「執筆」というのは、とにかく文章を積み上げていくという地道な作業です。すでに7万5000~10万語ほど書きましたが、最初の5万語を書き
「書くこと」は、考えをクリアにしたり、よりよく記憶したり、目的を達成したりすることに役立ちます。でも、なぜ「ペンはキーボードよりも強い」のでしょうか。「書くこと」の科学や心理学から考えてみましょう。 生産性の専門家やライターの多くは、以前から手書きを支持してきました。実際、多くの人がやることリストを作るには紙がいい(英文)といいますし、愛用のペンにこだわりを持つ人も多いです。書くことはなぜ効果的なのか フリーライターのPatrick E. McLean氏は「A Defense of Writing Longhand(手書きのすすめ)」という記事の中で、詩的な書き方をしています。「ペンを使うと野生のままの言葉が次々に出てくるのに、キーボードは間接的な感じで、気が散りやすい」。 こうした考えを、単なるロマンチシズムと思われるかもしれません。何世紀にもわたって、ペンと紙は生活のいたるところで使わ
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