7月25日に放送されたNHK「クローズアップ現代」のテーマは「人を動かす“共感力”」。ビジネスや地域社会の現場で、消費者や住民に対して共感をつくり出し、人を動かすアプローチが広がり始めていることに着目、その舞台裏に迫っている。 なぜ、いまさら「共感」なのか この番組づくりに当たって、「共感」に関するインタビューを受け、僕の会社で手掛けている大手化粧品メーカーの事例の一部も紹介された。このメーカーとの取り組みでは、広告宣伝色を抑え、消費者の共感を得ながらブランドを育てていこうという戦略を実行している。 最近では、6月のワールドカップ出場で沸く群衆を巧みな話術で誘導し、混乱を防いだことでDJポリスが大きな話題となった。注意だけでは警備目的は思うように達成できないことを省みて、共感されるような広報を行ったことが功を奏した。これも“共感力”のなせる技ということだ。 しかし思うに、「共感」というもの