cakesは2022年8月31日に終了いたしました。 10年間の長きにわたり、ご愛読ありがとうございました。 2022年9月1日
胎盤通じ赤ちゃんに 結婚から3年目のことだった。 不妊治療を試みた後、念願の子どもを自然妊娠した東京都の女性(36)は2011年1月、病院で妊婦健診を受けていた。 妊娠31週目。これまで「まったく問題ない」と言われていたのに、この日は、赤ちゃんの状態を調べる超音波検査の時間が長く感じた。医師はずっと無言で、難しい表情をしていた。 終わると、医師から「赤ちゃんの頭の脳室という部分が、大きくなっています」と告げられた。1週間後の再検査でも、結果は同じだった。「このまま行ってください」と、日大板橋病院(東京都板橋区)への紹介状を手渡された。 タクシーで行き先を伝えたとたん、不安で涙があふれた。乗車中、おなかの子がおなかをけってきた。「こんなに元気なのに。この子は本当に病気なの」 病院の産婦人科を訪ねると、また超音波検査が始まった。外来の医師のほか、2人の医師がモニター画面を見つめながら小声で話し
私がこれから書く異和感のようなものは、あるいは単なる勘違いかもしれません。 現在のいわゆるLGBT(Q)ブームなるものは2015年の渋谷区での同性パートナーシップ制度開始の頃あたりからじわじわと始まった感じでしょうか。あるいはもっと以前の「性同一性障害」の性別取扱特例法が成立した2003年くらいにまで遡れるのでしょうか。とはいえ、2003年時点では「T」のトランスジェンダーが一様に「GID=性同一性障害」と病理化されて呼称されていたくらいですから、「T」を含む「LGBT」なる言葉はまだ、人口に膾炙するはるか以前のことのように思えます。 いずれにしてもそういう社会的事象が起きるたびに徐々にメディアの取扱量も増えて、25年前は懸命に当時勤めていた新聞社内で校閲さんに訴えてもまったく直らなかった「性的志向/嗜好」が「性的指向」に(自動的あるいは機械的に?)直るようにはなったし(まだあるけど)、「
「うちは女の子だから無理して大学に行かせなくてもいいと思ってるんだよね」「娘が地元の短大に進むなら、車と成人式の着物を買ってあげるー」 お盆で帰省し、久しぶりに会った親戚のことば。「大学全入時代」とも言われるようになりしばらくたちますが、「男だから」「女だから」の差、今も根強くあるのでしょうか。データからひもときます。(ネットワーク報道部) 今回、分析したのは、8月2日に公表されたばかりの「平成30年度学校基本調査」(速報値)。文部科学省が毎年公表しているもので、全国の学校数や生徒数、卒業後の進路などがわかるデータです。このデータを基に、この春の4年制大学への進学率を都道府県別に試算してみました。
『小児科医ママの子どもの病気とホームケアBOOK』(内外出版社)の著者で、小児科医の森戸やすみさんと評論家・荻上チキさんによる、育児・医療の情報環境を考える対談後編。前編では、様々なメディアで不足している育児・医療情報を、誰がどのように補っていくかについてお話いただきました(育児・医療の情報環境は問題だらけ! 家族に丸投げの育児をどう変える?/荻上チキ×森戸やすみ)。後編では、メディアでの情報発信の問題だけでなく、社会全体の育児がしやすい環境についてお話いただきました。医療情報の問題や育児のしやすさ、性差別が地続きの中、どのように社会を変えていけばよいのでしょうか? 特定のモデルにあわせた育児荻上 環境を改善させるという意味では、適切な情報が提供されているっていうのはもちろんなんですけど、僕は、ゆるゆるとした温度の中で育児が出来る社会環境を整えることがひとつのゴールだと思っています。行政や
今年7月に『小児科医ママの子どもの病気とホームケアBOOK』(内外出版社)を刊行した小児科医・森戸やすみさん。本書は、よく知らないからこそ感じる、子どもの体調についての漠然とした不安に寄り添い、病気のことや医療機関のかかり方について具体的な話を、詳しく丁寧に説明する一冊になっています。育児や子どもの病気は、インターネットや本、テレビなど様々なところで話される一方、誤解やデマに満ちた情報も数多くあります。育児・医療の情報について、メディアはどのように変わっていけばよいのでしょうか。評論家・荻上チキさんと森戸やすみさんに語り合っていただきました(全2回)。 子育て情報が不足している荻上 森戸さんの新刊『小児科医ママの子どもの病気とホームケアBOOK』(内外出版社)は、熱中症や風邪、皮膚炎など普段「これってどうなんだろう?」って疑問を持つことのある身近なテーマを取り上げられていて、育児をしている
「下着の色は白のみ」「体操着の中に肌着を着てはいけない」。そうした理不尽な“ブラック校則”が、全国の学校に存在している。特に「下着チェック」は、いまだに増加しているという。評論家の荻上チキ氏が立ち上げた「ブラック校則をなくそう! プロジェクト」には、4カ月で200件の投稿が集まった。どのような指導が横行しているのか。なぜそうした指導がなくならないのか。荻上氏が解説する――。 またたく間に寄せられた「ブラック校則」の体験談 「ブラック校則をなくそう! プロジェクト」では、具体的な事例を収集するため、投稿フォームを設置した。フォームには、設置4カ月ほどで、200件ほどの投稿が集まった。内容には、具体的な地域名や学校名、投稿者の本名や連絡先が含まれている。 フォームに積極的に投稿するということから、理不尽さをより強く感じているという方からの訴えという形になる。そのため、代表的な声とは必ずしも言え
「ボイトレなんて、一回もしたことないし」 AKB48グループの39人が挑戦しているK-POPサバイバル番組『PRODUCE 48』。 エピソード1~2では、ランク分けのためのパフォーマンスに日韓の参加者(「練習生」と呼ばれる)が挑んだ。審査するのは、彼女たちを鍛えるK-POP界のトレーナーたちだ。 その結果は、なんともシビアなものだった。デビュー前の韓国の練習生たちが際立ったパフォーマンスを繰り広げたのに対し、48グループのほとんどは酷評された。評価基準は、あくまでも歌とダンスの技術力だったからだ。 「K-POPがプロ野球だとしたら、AKBは高校野球かもしれない」──秋元康のこの言葉は見事に実証された。 最初の評価では、Aランクは宮脇咲良(HKT48)と竹内美宥(AKB48)のみ。Dランクが11人、Fランクが17人と、日本勢の76%が下位とされた。 韓国勢(中国人やアメリカ人も含まれる)は
2018年8月15日、マンガ・ゲーム・アニメ等の「表現の自由」を守る活動の先頭に立ってきた前参議院議員・山田太郎氏が、今後の活動内容を大きく見直す旨を、ニコ生番組「山田太郎のさんちゃんねる」内で発表しました。 私は、今回の山田氏の発表が、今後の表現の自由の守り方を考える上において非常に重要な内容であると考え、この出来る限り正確な内容を出来る限り多くの方に知って頂く必要があると思い、当該番組の一部を文字起こし致しました。 お時間の許す限り、ぜひとも実際の動画を通しで見て頂き、山田氏の考えを知って頂きたいと思いますが、もし当記事がそのきっかけになればこれ以上幸いなことはございません。 《文字起こしする動画》 【第306回】C94振り返りと今後の活動についての重大発表!【前参議院議員山田太郎のさんちゃんねる】 山田太郎前参議院議員3日目東5ピ30a@yamadataro43 皆さんに山田太郎の今
大学入学共通テストで導入される、英語民間試験の成績活用の基本方針を約半数の国立大が決められずにいる。目的が異なる複数の試験を比較することの公平性などについて、学内で議論が続いているケースが多い。しばらく公表できないとする大学も多く、受験生への影響を心配する声もあがる。 「他大学の状況を見ながら検討しているが、方針を決めるのは9月ごろになりそうだ」(千葉大) 英語の民間試験導入は、大学入試改革の目玉の一つ。日本の高校生は「読む」「聞く」と比べて「話す」「書く」が苦手とされる。社会のグローバル化に伴って英語力の重要性が増すなか、文部科学省などは4技能を大学入試で測ることによるレベルアップに期待する。 だが、申請を受けて導入が決まった8種の民間試験は目的や実施状況が異なる。大学入試センターは、成績を国際標準規格「CEFR(セファール)」の6段階のレベルに当てはめて比べる予定だが、公平な比較ができ
もしも産科医師が自らの誤った解釈や手技が原因で、本来守るべき母子の健康を損なってきた事を指摘されたとすれば、それを素直に受け入れる事が出来るのでしょうか。 それが、人の死と直結するような事であれば、認める事は簡単な事ではありません。どらねこであれば、真っ正面から受け止める事ができず、現実逃避や無理筋な反駁を行ってしまうかも知れません。多くの人にとって、取り返しのつかないような過ちを受け止めることは大変に困難な事であると思います。これは代替医療や根拠のない健康法に嵌ってしまった人が後戻りできない理由の一つであると思っております。ハンガリー出身の医師ゼンメルワイスはそんな罪の意識と闘い、過ちを償うためにその人生を捧げました。 この物語を書くにあたっては、南和嘉男著 医師ゼンメルワイスの悲劇 講談社刊(絶版)を大きく参考にさせていただいております。その他、トールワイド著 塩月正雄訳 外科の夜明け
東京医科大の事件を受け、2018年度医学科入試のデータで分析。医学部予備校の代表「『そうだろうな』と思ってた」
女性割合の調整は憲法違反・教育基本法違反で募集要項に記して許される問題ではない 東京医科大学が女性合格者を3割以下に抑えるために、入試における得点を女性にのみ一律に減点して員数調整していたというニュースが8月2日に流れ、当然のことながら多くの批判的論考がメディアに出た。このことについて筆者も考えを述べたい。 まず、この種の女性差別が決してあってはならないことで、憲法14条第1項で すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により政治的、経済的又は社会的関係において差別されない。 とし、またそれを受ける形で教育基本法4条において (教育の機会均等) すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。 と記されていることに明確に違反する。 しかし、今回の東
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