今期連ドラの中で最もよかった「17才の帝国」 ――202X年、日本のGDPは戦後最大に落ち込み、G7からも“除外”、失業率は10%を超えた。人々はこう呼んだ。経済の日没。“サンセット・ジャパン”――。 強烈だが「さもありなん」と思わせる近未来の物語。それが「17才の帝国」(NHK)だった。今期の連ドラの中で最も新奇性に富む意欲作であり、全5回という短さがつくづくもったいないと思わせた秀作でもある。 AIと若者に行政を任せてみる さて、どんな設定だったかというと――。 人口の40%以上が65歳以上の超高齢社会となった日本、政府も地方自治体も年寄りばかり。「政治にもっと若い力を」という建前のもと、政治AI・ソロンを導入した実験都市行政計画「プロジェクト・ウーア」を発表する鷲田総理大臣(演じるのは、うっすら意図するものがあると思わせるチョビヒゲの柄本明)。 かつては大企業が雇用と発展をもたらし潤