志村けんがいなくなった。 新しい『バカ殿』がもう見られないということだ。 彼はおそらく日本の「ある部分」をひとり支えていた人である。 その支柱をわれわれは失ってしまったのだ。 志村けんが「よく知らない5番目の若い人」だったころ志村けんを初めてテレビで見たのは『8時だヨ!全員集合』だった。 メンバーの1人、荒井注が抜けたあとに新しいメンバーとして入ってきた。 かなり無理な登場だった。 1974年当時のドリフターズの人気はものすごかった。いまとなってはわかりにくい“昭和の人気者”である。国民がみんなで好きだったのだ。その人気絶頂5人組の1人が抜け、代わりにまったく知られていない若い男が入ってきた。 それが志村けんだったのだ。 ちょっとありえない。 いまさらながら、リーダーいかりや長介のこの判断はすごいとおもう。 たとえば2020年現在、嵐のメンバーは5人だけれど(そしてまもなく活動休止するけど