2019年12月15日 「物語を生む苦しさよりも、ネタを捨てる苦しさのほうが大きかった」 「いだてん」全47回の脚本を手がけた宮藤官九郎さん。はじめて実在の人物をモデルにした歴史ドラマに挑戦した宮藤さんに、執筆にあたっての裏話や制作秘話など、たっぷりとうかがいました。 「あまちゃん」のときもそうでしたが「いだてん」はゴールが最初に決まっていました。金栗四三さんが半世紀以上たってからストックホルムオリンピックのゴールテープを切ったというエピソード、そして古今亭志ん生が東京オリンピックの開会式当日に『富久』を高座にかけていたという史実を知ったときから「最後はあれだ!」と思っていたので、自分でも無意識にそこに向かっていったんですよね。 そんなわけで落語の『富久』が重要なドラマのモチーフとなり、さまざまなシーンで登場することになりました。 実は史実に基づいて歴史ドラマを描くのは今回が初めて。しかも
宮藤官九郎の書く脚本は、いつも他の誰にも似ていない足跡を残す。例えば朝の連続テレビ小説『あまちゃん』は、ヒロインの幼少期から始まり、成長し結婚して母になる「女の半生記」という朝ドラの黄金律を完全にはみ出している。それは天野アキという1人の少女が16歳から20歳になるまでのたった4年を描いた物語なのだ。 主人公天野アキは物語の中で結婚も出産もしない。だがそのたった4年の青春の1ページの中に、80年代に青春を送り夢破れた彼女の母親、春子の人生が回想として映る。そこには朝ドラの定型である「女の半生記」が主人公の母親の歴史として織り込まれ、同時に80年代に始まるアイドル・サブカルチャー史があり、そして2011年、3・11という同時代の巨大な社会的カタストロフにたどり着く。 海外のティーンネイジフィルム、ガールズムービーを見渡しても、これほど奇妙で定型を外れた、そして同時にこれほど見事な構造を持った
いよいよ最終局面に入った大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(NHK総合)。オリンピックに関わった日本人の姿を描いた本作は、明治・大正・昭和という近代日本を舞台にした歴史群像劇だ。劇中には実在した人々が登場し、一見荒唐無稽に見えながらも、ほぼ史実どおりに展開していくのだが、その背後では、気が遠くなるような膨大な量の取材が行われていた。 今回、リアルサウンド映画部では『いだてん』の「取材」を担当した渡辺直樹に、関係者遺族への許可取りも含めた取材現場の内幕について話を訊いた。渡辺が担った「取材」とは、宮藤官九郎の脚本作り、その前段階の企画制作のための膨大な資料集め、および史実関係の事実確認など。前人未到の挑戦となったオリンピック大河はいかにして作られたのか?(成馬零一) 誰を主人公にするかも決まっていなかった ―― 渡辺さんが『いだてん』でもチーフ演出を務める井上剛さんの作品
「民間放送連盟賞テレビ部門グランプリ」獲得した「チャンネルはそのまま!」のエグゼクティブプロデューサー福屋渉さん(右)と、「水曜どうでしょう」ディレクター(ドラマでは監督)の藤村忠寿さん(中央)、嬉野雅道さん(ドラマではプロデューサー)=HTB提供 HTBがモデルの原作 視聴率を追わない決断 「チャンネルはそのまま!」への思い 11月、北海道テレビ(HTB)が手がけたテレビドラマ「チャンネルはそのまま!」が、「2019年日本民間放送連盟賞テレビ部門グランプリ」を獲得しました。ドラマには、同じHTBの人気番組「水曜どうでしょう」(水どう)の出演者をはじめ、おなじみのディレクター陣も参加しています。「東京の周縁に地方がある」という刷り込みに異を唱える嬉野雅道さん。一方の藤村忠寿さんは「地方局が作るドラマという意味合いを払拭(ふっしょく)したかった」と語ります。ディレクター二人の言葉から、「チャ
3月に放送したHTB開局50周年ドラマ「チャンネルはそのまま!」が今年の日本民間放送連盟賞グランプリ作品に選ばれました。NHKを除く全国の民放で放送された報道、情報、ドキュメンタリーやエンターテインメントなど全ての番組の中で最も高い評価を受けたのです。 HTBを取材して佐々木倫子さんが描き上げたマンガ「チャンネルはそのまま!」を、HTBが実写ドラマ化し、多くの社員がエキストラ出演し、社屋移転の時期に南平岸の旧社屋を撮影に使用しました。審査員の講評に「北海道テレビにしかできないドラマ」とありましたが、ドラマでありながら見ている人を納得させるリアルな土台がありました。でもそこには社屋移転で忙しい中でもドラマ撮影に協力を惜しまなかったHTBの人々、北海道胆振東部地震で局内が騒然としていた中でも粛々と撮影を進めたドラマチームの力強さがあったのです。 「インターネットやスマホで… ","naka5"
北海道テレビ放送(HTB)が10月4日から3日間にわたって開催した「水曜どうでしょう祭 FESTIVAL in SAPPORO 2019」では、会場に行けない藩士(註:水曜どうでしょうファンの呼称)のために、ステージイベントのオンライン配信やライブビューイングが行なわれた。JAWS FESTAでは昼の部のステージイベントライブ配信を担当した三浦 一樹さんが、ライブ配信システムの構築と運用の実態について語ってくれた。 1年間で敏腕エンジニアに変身できたのは、技術情報がオープンなAWSだから 藩士諸君には改めて説明するまでもないと思うが、水曜どうでしょう祭 FESTIVAL in SAPPORO 2019には大きく2つの見どころがある。ひとつは会場に並んだブースで、水曜どうでしょう関連の展示やグッズ販売などが行なわれること。そしてもうひとつの見どころが、ステージイベント。水曜どうでしょうの出演
廣瀬俊朗 多くの方がラグビーを盛り上げてくれたことがうれしかった 受賞の感想をお聞かせください 演技初挑戦ながら出演を決めたのは、ラグビーの普及とラグビーW杯の認知度を高めるためです。実際に本作では、これまでの活動では届かなかった層、特に女性の方にもラグビーを知っていただけたと思います。 他局に出演しても「馬と鹿」が流れて、ドラマの話が出て…多くの方がラグビーを盛り上げてくれたのはうれしかったですね。撮影は、実際の試合と違って体や気持ちをつくる準備期間がないこと、また100%に近い動きを何度も繰り返すところが大変でした。現役時代は、タックルは1試合15回くらいしかしなかったのですが、撮影では20~25回した日もありました(笑)。それから、試合中のサインプレーは、監督のリクエストを基に、選手たちで意見を出し合って考えた部分です。アストロズは撮影中からLINEグループをつくっていて、最近も近況
松田龍平「あまちゃん」名場面の裏話を明かす「マジか!?」「何だコレ!?」 拡大 俳優の松田龍平が2日、NHK総合の生番組「土曜スタジオパーク」に出演し、大ヒットした連続テレビ小説「あまちゃん」(2013年)の名場面の裏話を明かした。 松田は「あまちゃん」で、アイドルグループ「GMT47」のメンバーになったヒロイン・天野アキ(能年玲奈=現のん)のマネジャー・水口琢磨役を演じた。 番組では、水口がアキの先輩で恋人の種市浩一(福士蒼汰)に「大損害だぜ一般男性。いっぱ~んだんせ~い。るぱ~んさんせ~い。何してくれてんだよ、大事な時期に。いっぱ~んだんせ~い」と絡む名場面を紹介。 松田はこのシーンを「(台本を読んで)けっこうプレッシャーありましたね、なんか。マジか!?と思って。他の役者さんたちも『今日はあのシーンだね』(と声を掛けてきた)」と回想。 最後の「いっぱ~んだんせ~い」では松田本人も思わず
JRが東京周辺ほぼすべての電車の運行を停止した歴史的な土曜日の翌日、2019年の10月13日の夜8時、あなたは台風19号の後始末に追われていたかもしれない。ようやく動き始めた電車に乗って、日曜日の職場で前日の後始末をして月曜に備えていたかもしれない。避難勧告で家を出たまま、避難所ですごしていたかもしれない。 そしてもちろん、多くの視聴者と同じように、家で、あるいはスポーツバーで、視聴率39%を記録したラグビー日本代表のスコットランド戦に声援を送っていたかもしれない。 色々な状況があり、いろいろな価値観がある。僕が今から書くのは、あの日、日本を覆った台風被害とスポーツの熱狂の裏で『いだてん』宮藤官九郎が何を語っていたかということについての話だ。夜に放送された第39回『懐かしの満州』は、第二章の最終幕であるだけでなく、『いだてん』という大河ドラマの本質、宮藤官九郎本人が「最も描きたかった」と語
NHKの大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』は、落語家の古今亭志ん生が「東京オリムピック噺」を語るという形をとりながら物語が進行している。劇中では、浅草でやさぐれた生活を送っていた美濃部孝蔵青年が、落語と出会い、紆余曲折ありながら名人・志ん生へと成長していくさまを森山未來が、また1964年の東京オリンピック前夜、寄席で「オリムピック噺」を語る年老いた志ん生をビートたけしがそれぞれ演じてきた。 なぜ宮藤官九郎は志ん生の物語にこだわってきたのか? ただ、これまで、本題のオリンピックをめぐる物語と、志ん生の物語は、時折接触しながらも、いま一つ関係性が見えてこなかった。それが先週10月6日放送の第37回で、老年期の志ん生に弟子入りして「五りん」と名づけられた青年(演:神木隆之介)の父親が、小松勝(演:仲野太賀)という日本初のオリンピック選手・金栗四三(演:中村勘九郎)の弟子であることが判明
ついにこの日を迎えてしまった。今夜よる9時からTBS日曜ドラマ『ノーサイド・ゲーム』(20分拡大)の最終回が放映される。 君嶋隼人(大泉洋)とアストロズは「最初に出会ったときの誓い」を果たすために、宿敵サイクロンズと全勝対決の最終戦に挑む。トキワ自動車によるカザマ商事買収を巡る社内抗争の末、滝川(上川隆也)が失脚し、常務に昇進した脇坂(石川禅)はアストロズ廃部の方針を強固に打ち出している。追いつめられたアストロズには、「優勝」しかない。 そこで10回にわたり、選手たちのインタビューをお届けしてきた「がんばれ!アストロズ」の番外編として、優勝をかけた決戦に挑むアストロズメンバーにいまの気持ちを語ってもらった。 岸和田徹(高橋光臣) 「ラスト、サイクロンズ戦、チーム一丸となって必ず勝ちにいきます。体を張って、壊れてもいいという思いで最終戦に挑みます。この試合にすべてをかけます。応援、よろしくお
ついになつ(広瀬すず)が生き別れた妹・千遥(清原果耶)と再会を果たした。 マコプロダクションを訪れた『なつぞら』(NHK総合)第25週初日で千遥はアニメ『大草原の少女ソラ』の大ファンだという千夏(粟野咲莉)の笑顔をみて、何かに気づいたなつ。なつに声をかけられ、振り向いた千遥は顔を強張らせたままだ。「千遥だよね。わたしが分かる?」と千遥に歩み寄るなつ。ゆっくりとうなづいた千遥に、なつは感極まって涙した。 清原演じる千遥がはじめて登場したのは第79話。北海道にやってきた千遥は、なつの妹だと察した富士子(松嶋菜々子)によって迎え入れられた。なつと咲太郎(岡田将生)とは電話口で“再会”したが、千遥は彼らを待たずに姿を消した。結婚を控えていた千遥は、先方に戦争孤児であることを知られないようにする必要があった。再会してしまえば別れられなくなると感じ、「会わない」決断を下した千遥。 清原はインタビューに
NHKの連続テレビ小説「なつぞら」に、「水曜どうでしょう」などでおなじみのタレント・大泉洋さんが出演することが発表されました。 最終週に出演することが発表された大泉洋さん(画像は「なつぞら」公式サイトから) 大泉さんは北海道の演劇ユニット「TEAM NACS」の一員。「なつぞら」のヒロインであるなつが北海道十勝地方で育ったということから、同ドラマには、TEAM NACSに所属する安田顕さん、戸次重幸さん、音尾琢真さんがレギュラー出演しています。 安田顕さん(画像は「なつぞら」公式サイトから) 戸次重幸さん(画像は「なつぞら」公式サイトから) 音尾琢真さん(画像は「なつぞら」公式サイトから) 8月の放送には、TEAM NACSのリーダー・森崎博之さんが出演。役名の「大清水洋」が「大泉洋」さんを連想させると話題になりました(関連記事)。 公式サイトの発表によると、大泉さんは最終週(9月23日~
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