太平洋戦争末期の大阪大空襲の被災者・遺族ら23人が、国に謝罪と賠償を求めた大阪空襲訴訟の第8回口頭弁論が28日、大阪地裁であった。戦時中の防空法制に詳しい水島朝穂・早稲田大教授(憲法学)が原告側証人として出廷し、「空襲で火炎地獄になっても市民を都市に縛り付けた国の政策が、被害拡大の要因となった」と証言した。 訴訟は、国が旧軍人・軍属には恩給や年金を支給しながら、一般市民の空襲被害は「受忍(我慢)すべきだ」として援護措置を取らない是非などが争点となっている。 水島教授は、日米開戦直前の1941年、国が「防空法」の改定や内務省通達で、都市住民が空襲を逃れる目的で転居することを原則禁止し、空襲時の消火義務を課し、違反者には多額の罰金を適用したことを説明。こうした政策は隣組やマスコミを通じて徹底され、多数の逃げ遅れを招いたと指摘し、「国には空襲被害者に補償する作為義務がある」と主張した。 ま