外食産業で提供される食品は、そのほとんどが塩分過多だ。なぜか? それは、その食品が売るために存在しているからである。 おいしい、と一回で思ってもらえなければ、もう一度来てもらえない。 だから、健康だのは度外視して、パンチの利いた味を作る。 では、それを文化に置き換えるとどうなるか。 売るための作品は、面白いと思ってもらう必要がある。 面白いと思ってもらうには、サスペンスものならスリルや驚きを、コメディなら笑いを、 子供がかわいい作品ならその魅力を「わかりやすく」表現しなければならない。 その方が大多数に伝わり、面白いと思ってもらえるからだ。 そして、そういったわかりやすい表現をしつつ、写実的であることは非常に難しい。 なぜなら、日本人のリアルはハイコンテクストで、直接的な表現を避けるからである。 フィクションはフィクション、リアルとは別物になってしまうのは、金銭が絡む以上仕方のない事だ。