戦後の原点 日本の歩みを振り返るシリーズ「戦後の原点」は今回、植民地帝国の解体を取り上げます。海外の版図を失った日本は復興と経済成長を成し遂げますが、その一方で戦争と植民地の記憶は風化していきました。しかし、過去は容易に消え去ることなく、対話を迫り続けています。(大久保真紀、下司佳代子、藤原秀人、古谷浩一、北郷美由紀、三浦俊章) 軍艦島めぐる溝を埋めたくて――韓国 繁華街には「居酒屋」の看板が…
ABOUT THE ARTICLE 元国税調査官の大村大次郎氏が日本の歴史を「お金」から読み解いた1冊『お金の流れで読む日本の歴史』から、現代世界と比べても印象深いくだりを紹介。なぜ日本国民は国際社会から孤立してまで「満州事変」を支持したのか? 戦前の日本は、現代以上の格差社会だった。 それが、「戦争を歓迎する」という日本国民の考えの土壌になったのである。 日本は明治維新後、急激に工業化をすすめたが、国全体を見れば、「貧しい農村社会」だった。もともと江戸時代の人口の9割近くが農業をしていたくらいなので、おいそれと改善できるものではない。 昭和5年の調査では、第1次産業47%、第2次産業20%、第3次産業30%で、就業人口2900万人のうち1370万人が農業に従事していた。そのうち半分近くの600万人は女性だ。男性も女性でも、もっとも多い職業は「農業」だったのだ。 昭和20年の時点でも農業人
自宅でのお産 日本では、戦後間もない頃まで、お産のほとんどが自宅で行われていました。厚生労働省の人口動態調査によれば、1950年には施設(病院、診療所、助産所)での出産は全体のわずか4.6%に過ぎず、残りの95.4%は自宅又はその他で出産が行われており、それらのお産のほとんどは産婆さんが取り上げていました。 自宅分娩から、施設分娩へ しかし、戦後のGHQの指導により、自宅分娩から、施設分娩への移行が行われ、出産の場所は、短期間で劇的に変化することとなりました。1960年には病院での出産が24.1%、診療所が17.5%、助産所が8.5%、そして自宅などの施設外が49.9%でしたが、1970年には病院での出産が43.3%、診療所が42.1%、助産所が10.6%、そして自宅などの施設外が3.9%となっています。20年で、自宅と施設での出産の割合が、ちょうど逆転したことになります。 戦後しばらくの
【全文公開】伝説の漫画編集者マシリトはゲーム業界でも偉人だった! 鳥嶋和彦が語る「DQ」「FF」「クロノ・トリガー」誕生秘話 鳥山明の名作漫画『Dr.スランプ』に、則巻千兵衛博士のライバルとしてアラレたちに立ちはだかるDr.マシリトなるキャラがいたのを皆さんは、覚えているだろうか。 このキャラのモデルになった人物こそが、今回インタビューする白泉社代表取締役社長・鳥嶋和彦氏にほかならない。 彼の編集者人生は数々の伝説に彩られている。新人賞にかすりもしなかった新人漫画家・鳥山明を一から育て上げ、何百枚にも及ぶボツ原稿を出したあげくに、『Dr.スランプ』や『ドラゴンボール』などの名作をタッグで世に送り出したこと。鳥山明のみならず多くの漫画家にネタにされてきた、その“悪魔のような”強烈なキャラクター。そして90年代後半、週刊少年マガジンにジャンプが追い越された「暗黒期」に編集長として呼び戻され辣腕
発達加速現象の研究 -第12回全国初潮調査結果- • 平成23年2月第13回全国初潮調査資料 • 大阪大学大学院人間科学研究科・比較発達心理学研究室 発達加速現象とは何か 1.年間加速現象として -時代差- (身長・体重、初潮・精通、歯芽・視力、鼻背鼻 底角、体型の細長化、短頭化、その他 ) 2.発達勾配現象として -集団差・文化差- (国内外の地域差、社会階層差、その他) 発達勾配現象 • 青森・秋田や沖縄は、初潮年齢が低い傾向 が見られる。 • 滋賀や佐賀は遅い傾向が見られる • 東京・大阪は昭和30年代には、早い傾向が 見られた。 • 市部・郡部の差はほとんどない。 思春期(puberty) • 青年期(adolescence)開始の指標 • 思春期をはさむ少年期・青年期発達の進化 (大人になるための学習期間の拡大) ◎第二次性徴の発現期 (代表的指標:初潮・初経、精通) ◎大人にな
日本のコーエーテクモゲームス(当時 光栄)が初の歴史シミュレーションゲーム『川中島の合戦』を発売したのはいつか? ――正解は、1981年である。 そのときには、まだパソコンでゲームをする文化自体が相当にマイナーな楽しみに過ぎなかった。有名なパソコン版の『シヴィライゼーション』が発売されたのでさえ、ずっと後のことである。しかし、そのゲームは、紡績業を営んでいた光栄という会社が大きく業態を変えていく転換点になるほどの話題を日本で獲得した。 その2年後、彼らは『信長の野望』という大人気歴史シミュレーションゲームを生み出した。コーエーテクモホールディングス社長・襟川陽一氏ことシブサワ・コウは、それをRPGや司馬遼太郎の小説をヒントに作り上げたという。我々の遊んできたこうした『信長の野望』などの歴史シミュレーションゲームは、実はコンピュータゲーム史にほとんど忽然と登場したゲームに近い。 『ファミコン
4月から全国の中学校で使用される歴史教科書のうち唯一、慰安婦に関する記述を採用した「学び舎」(東京)の教科書が、筑波大付属駒場中や灘中など最難関校と呼ばれる学校を含め、少なくとも30以上の国立、私立中で採択されていたことが18日、分かった。国立と私立中では採択権が教育委員会ではなく学校長にあり、関係法令に基づき採択理由を公表する努力義務もあるが、取材した学校の大半が採択理由を非公表とした。 同社の歴史教科書は平成16年度検定以降、中学校教科書で各社が一切採用しなかった慰安婦に言及し河野談話も取り上げた。当初、申請した教科書では強制連行を強くにじませながら大きく取り上げたが、不合格とされた後、再申請の際に大幅に修正した。
ここでまとめられてる、先週私のTLにも流れてきた件。発端はこのツイート。 まあこの手の人間にはなんでも「サヨクの陰謀!」「グンクツ脳!」に思えるのかもしれないけど、ちょっと考えれば「赤紙」が戦時動員の代名詞として記憶されるようになったことにはちゃんと理由があることがわかります。 第一に徴兵検査は平時でも行なわれていたわけで、徴兵検査をうけて現役で入営もしたけど戦争にはいかずにすんだ、というひともいるわけです。これに対して予備役や後備役が動員されるのは戦争になりそうなとき、すでに戦争になっている時なわけで、徴兵検査より「赤紙」の方が戦争の記憶として印象に強く残っても不思議ではない。戦争が始まる前に徴兵検査を受けていた世代にとって戦時動員=赤紙なんだから。平時編成から戦時編成に移行すると人員が倍くらいになるんですから、戦争になれば多数の予備役・後備役が動員されたわけです、実際。 第二に、予備役
今年1月、コピーライターの糸井重里さんがツイッター上でこんなことをつぶやいた。 そういえば、何年か前に見た「痴漢は犯罪です」っていうポスター、いまもあるかなぁ。「えっ!そうだったのか?!」っていう痴漢もいるってことなのかな? 出典:https://twitter.com/itoi_shigesato/status/691676720731033600 駅構内に貼られている「痴漢は犯罪です」というポスター、多くの人が目にしたことがあるだろう。そして、糸井さんのように疑問に感じたことのある人も多いかもしれない。痴漢は犯罪なんて当然のこと。わざわざ書くことに意味があるの?と。確かにそうだ。なぜこのコピーが採用されることとなったのだろうか。 このポスターが貼られ始めるようになったのは1994年のこと。実は、「痴漢」という文字がポスターに使われるようになるまでには長い道のりがあった。「地下鉄御堂筋線
2015年11月30日、当会では上野千鶴子氏による「慰安婦」論について李杏理が報告した(「日本フェミニストによる相対主義の暴力」)。 「朴裕河氏の起訴に対する抗議声明」(2015年11月26日)には、上野千鶴子、加納実紀代、加藤千香子、千田有紀、竹内栄美子ら(敬称略;以下同様)フェミニストも賛同人に名を連ねている。 この声明で言及されている朴裕河『帝国の慰安婦』の問題点は、すでに当会で議論してきた。 とくに上野千鶴子は、以前から朴裕河『和解のために』(平凡社、2006年)あとがきや新聞での評論を通じて朴裕河の議論を積極的に評価してきた。 なぜ、日本人フェミニストが朴裕河を擁護するのか。フェミニストによる相対主義・脱ナショナリズムにもとづく「慰安婦」論の陥穽を論じたい。 上野千鶴子による「慰安婦」論の特徴は次の3点に要約できる。それは、朴裕河『帝国の慰安婦』に共通する特徴である。 ①「慰安婦
【2023/12/20】【更新】まとめ作成時のツイートの取得や投稿にエラーが表示される場合がありましたが、現在復旧しており正常にご利用いただけます。ご迷惑おかけいたしました。
パリで起こった同時多発テロ事件の衝撃は一瞬のうちの世界中を駆け巡った、というこの書き出しの一行の文体は、なんだか、夕方の民放の情報番組がBGM付きで配信している扇情的なニュース原稿のコピペみたいだ。 実際に、あの事件以来、国際社会の空気は切羽詰まった調子のものに変貌している。 私は、911のテロ事件を受けた半月ほどの間に、アメリカ発のニュース映像の基調がいきなりハリウッドっぽくなったことを思い出している。 ついでにと言っては何だが、東日本大震災が起こった後に、私たちの国のメディア状況や世論のあり方が、なにからなにまですっかり変貌してしまったいきさつにも思いを馳せざるを得ない。 世界を世界たらしめているのは、平時の人間の日常的な思想だ。 が、歴史を新しい段階に追いやるのは、非日常のアクシデントだ。 天災や、事故や、組織犯罪や、無慈悲なテロや、偶発的な国境紛争や、狂気に駆られた人間が引き起こす
「吉田松陰は山県有朋が創った虚像である!」 「久坂玄端は天皇拉致未遂犯である!」 「勝海舟は裏切り者である!」 「長州藩はテロリスト集団である!」 このように、新聞広告にはなんとも刺激的な惹句が並ぶ。日本を近代化に導いたと教えられてきた明治維新を全否定する歴史書が、ベストセラーになっている。ヒットの背景を探ってみると、やはりあの“遺恨”があった。 歴史書としては異例の5万部を超えるヒットとなっているのは、「日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト」のサブタイトルを冠した『明治維新という過ち』。出版元・毎日ワンズの松藤竹二郎社長がいう。 「立花隆氏が週刊文春、斎藤美奈子氏が週刊朝日の書評で取り上げて話題になりました。ただし、読みもしないで新聞広告を見ただけで抗議をしてくる人も多いんです」 著者の原田伊織氏は69歳で、作家のほかクリエイティブディレクターとしても活躍する人物。なぜこんな刺激的な歴
「創作とネットの話題ははてなブログで」「日常雑記ははてなダイアリーで」という勝手なルールを設定している。「はてなダイアリー」の更新はそこそこ続けているつもりだが(と言っても週に一度か二度)、こっちは何か月も放置してしまった。 kamayan さんのところ(d:id:kamayan:20151106)で、面白そうなお題を見かけた。 <試験に絶対出る教育問題> 以下の問題に答えよ。制限時間なし 1 欧米に日本のような予備校や塾はない。 なぜ日本ではダブルスクール化が進んでいるのか。 2 社会に出て必要な「法律」も「経済」も教科にないのはなぜか。 3 「受験」と「教育」と「学問」の違いについて述べよ。 4 「受験秀才」とは揶揄か褒め言葉か。その理由も述べよ。 設問の前提となる事実関係に検証の余地は大いあるが、今はさて置く。 kamayan さんの回答も面白かったが、できればいろんな違う人のいろん
1 俺の友人がこんなことを述べた。 <試験に絶対出る教育問題> 以下の問題に答えよ。制限時間なし . 1 欧米に日本のような予備校や塾はない。 なぜ日本ではダブルスクール化が進んでいるのか。 2 社会に出て必要な「法律」も「経済」も教科にないのはなぜか。 3 「受験」と「教育」と「学問」の違いについて述べよ。 4 「受験秀才」とは揶揄か褒め言葉か。その理由も述べよ。 俺は以下のように返答した。 2 1については実際のところそうなんですか? 何かデータと言うか根拠ありますか? 仮に本当だとしたら、 1-1 日本の学校は思想の左右を越えて「学校は『実直な精神』を刷り込むところである」という前提があり、知識を得るところだという合意がそもそもなく、知識を得ることだけを目的とした塾の需要が喚起された。 ということじゃないかな。 日本の文部省と日教組は日本国内で最も仲の悪いイデオロギー集団で、文部省は
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じぇーでぃーさん@がんばらない @j_doby 「昔は日本もマナー悪かった」系の話と「今の老人がマナー悪い」系の話を合体させると、「マナー悪かった人間が引き続きマナー悪い」というだけの話になりそうである 2015-09-29 15:37:02 メーメル @memel_ko1 祖母が満州にいた時の話を時々するのだが、当時の日本人は本当に偉そうだったらしく、満州に来ても中国語を少しでも喋ろうという日本人はほとんどいなかったそう。 皆「なぜ俺たちが中国語なんか喋らなきゃいけないんだ。意思疎通取りたきゃ中国人が日本語を喋ればいいだろ。」って態度だったからだ。 2015-09-29 17:19:46 メーメル @memel_ko1 あと日本人は平気で中国人のこと殴ってたらしい。まあ当時は普通の日本人も憲兵に殴られてたし、外国人差別というわけではないのだが、外国人に対しても平気でお構いなしで殴ってたと
同じ敗戦国のドイツはしばしば日本の比較対象にされる(写真は今年5月にロシアの無名戦士の墓を訪れたドイツのメルケル首相) Maxim Shemetov-REUTERS 前回のコラムに対する皆さんの反応が実に熱い。 寄せられた感想やコメントは全部ありがたく拝読させていただいた。 中には少し勘違いされていると思われる部分もあり、僕の伝え方が不十分だったことに気づかせてもらった。 ということで、今回はコラムの補足として少し加えさせてもらいたい。本コラムじゃないからお笑いは抜きでね。 補足するのは、「第二次大戦の死亡者数」、「靖国参拝」、「ドイツのお詫び」、「僕」の4つ。それぞれについて検証したい。ちなみに、いただいたコメントへのそれぞれの僕のレスポンスはだいたい同じで、それは「世界の見解が間違っていたとしても日本の皆さんはそれを知るべきではないか」ということだ。 日本国内の「常識」のみからでは、世
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