就活のバカヤロー [著]石渡嶺司・大沢仁[掲載]2008年12月21日[評者]小柳学(編集者) 大学ジャーナリストと人事ジャーナリストが昨今の就活(就職活動)の実態を伝えている。 毎年、「テニスサークルの代表」の学生が面接で大量出現。メディアで「採用を決めたひと言」が紹介されると、翌年から同じせりふをいう学生が次々と現れるという。流行の自己PRは、「納豆のようにねばり強い人間です」。一発芸や手品もありで、面接官に質問が許されると「他に、オススメの企業を教えてください」。 企業は、そんな学生にふざけるなとは言えない。面接を自社PRの場と考えているので学生には好感をもってほしい。不快感をもたれると、ネットでたたかれホームページが「炎上」状態となる。大学はといえば、「就活合宿」で気合を高めるところも。少子化で学生は「お客様扱い」なのだ。就活は、学生、企業、大学、だれもが主体性をもっていない「茶番