漫画などを作者に無断でネット上に公開する「海賊版サイト」の対策について、政府の有識者会議は、そうしたサイトに接続できないようにする「ブロッキング」の是非を中心に議論を続けてきました。しかし、意見が衝突して紛糾し、座長が、結論が出なかったことを公表して事実上終了しました。この議論を検証しながらインターネットを介した著作権侵害の対策について考えます。 案として出されたブロッキングの方法です。 インターネットを利用する人は、通信会社の回線を使って、さまざまなホームページのサーバーにアクセスします。ブロッキングの手続きをとる場合、著作権者が海賊版サイトのアドレスを指定し、そのサイトにアクセスできなくするよう通信会社を相手取って裁判を起こします。裁判所が認めた場合、通信会社は、利用者が海賊版サイトにアクセスした時に回線を遮断します。 国内にはおよそ2万社の通信会社があるため、本来はすべてに対して裁判