「ニコニコ」動画の黎明期から「ハチ」名義でVOCALOIDのプロデューサーとして「マトリョシカ」「パンダヒーロー」といった名曲を生み出し、2012年、ソロデビューを果たした米津玄師。 10月に発売した3枚目のアルバム『Bremen』が、自身初となるオリコンチャート初登場1位を記録し、同作で日本レコード大賞優秀アルバム賞も受賞。 2015年に一躍ブレイクを果たした米津玄師は、いまやネット発のクリエイターというカテゴリーにとどまらず、いよいよ日本の音楽シーンの王道を担う存在の一人となりつつある。ニコニコ動画やVOCALOIDをきっかけに世に出ることになった数々のアーティストの中でも、破格の成功をおさめた形だ。 なぜ数多くのクリエイターの中で米津玄師が群を抜く人気を獲得したのだろうか? ここでは、彼の巨大な才能について、改めて考察したい。 text:柴那典 米津玄師とは「BUMP OF CHIC