「終りなき幻想を縫いとめたのは、ああ、そうソレは皆が見た愚かしい夢……ってこの台本ださくね?」「うるさいなあ、あと“みんな”じゃなくて“みな”だからな、そこ」「ういー」カーテンが締められ、窓という窓がダンボールでふさがれた簡易暗幕とかした教室で僕らは最終稽古をしていた。「そもそもボクはキミに台本を書かせるのは反対だったんだ、それこそ有名な戯曲をそのままつかうとか、小説を脚本化するとかさー」明日は文化祭、各クラス対抗の演劇が体育館で行われる。「まあ、多数決で決まったことだし、そもそもオレ文芸部じゃん?」「創作文芸じゃねーじゃん」「読むばっかりが人生さ」「なにうまくまとめたつもりでいるんだよ!」などと、会話を説明するいわば刺身に添えられたタンポポのような私であります。「っていうか、どういうストーリーなのか、演じてるボクですらわかんないような脚本ってどうなのよ?」そうなのです。この脚本は非常に理