最近、基幹系システムの刷新プロジェクトを一旦中止して仕切り直しするユーザー企業が増えているようだ。実際、私も続けざまに3社のそんな事例を聞いた。中止した理由は共通している。利用部門の要求を聞き過ぎたからだ。 ERPなどの基幹系システムの刷新では、利用部門の言うことを聞くと、ろくなことにはならない。これは普遍的真理である。プロジェクトをユーザー企業のIT部門が主導しようとITベンダーが請け負おうが、利用部門の言いなりになると、要件が膨らみ工数が増えカスタマイズ地獄になる。典型的な大失敗プロジェクトの誕生である。 以前、ユーザー企業の間で「客に対して尊大だ」と悪評のあった某ITベンダーの幹部が言い放った言葉がある。「システムを使う人(利用部門)のためになんか働いてはいけない。お金を払ってくれる人(経営者)のためにだけ働くのだ」。この言葉を聞いた当初は、「随分ひどいことを言うな」と思ったが、今に
単なる業務改善はOAと呼ぶべき部類に入るものである。ITを標榜するからには業務プロセスの改善にとどまらず、情報伝達や意思決定の仕組みに関わる組織改革や業務の変革を伴うべきである。これは会社の構造や構成を変えることであるから、ボトムアップ的なアプローチではなく、トップダウンの戦略に基づく必要がある。 中小企業は組織が主体 以前、首都圏の独立系の中小ITベンダーに中小企業向けのITソリューションを請け負うかどうかアンケートを取ったことがある。実績があり請負可能と答えた企業は全体の半分以上あった。しかし、現実にはベンダーが要件定義以前の上流工程から関わることには困難がつきまとっているようである。 大企業のIT投資案件に比べて中小企業はどこが難しいのだろうか。 ベンダーから見れば大企業に比べて投資額が少なく魅力に乏しい。中小企業ではIT投資が毎年継続的に行われるわけではなく、営業効率が悪いといった
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