「増田神社がどうしてできたのかは、いまから、五十年か六十年ぐらい前の話です。 高串に、せきりのようなひどいでんせん病が、はやりました。 つぎからつぎへ、おおぜいの人がせきりにかかりました。そのころ、高串には増田という名前のおまわりさんがおりました。 増田さんはせきりにかかった人たちを、なんとかして、みんなたすけようと思っておられました。 ほかの人たちは、だれでも、せきりにかかった人を、きらって憎みましたが、増田さんは少しもそんなことはなく、やさしくかんびょうしたり、おみまいをしてやったりされました。 そうしているうちに、増田さんに、せきりがうつりました。 すると、りょかんの人は、うつるからといって、増田さんをきらい、ごはんなども、竹の先にのせてさしだしていたそうです。 それでも、増田さんは、少しもおこらず、みんなのことを心配しておられたのですが、だんだんひどくなって、とうとう死んでしまわれ