「うちは30年も40年も前からやっていますよ。何をいまさら?といった感じですね(笑)」──。米Tesla(テスラ)が披露した、電気自動車(EV)の新たな生産方法「アンボックストプロセス(Unboxed Process)」のアイデアに対し、こう冗談を飛ばすのがシチズンマシナリーの生産技術部の社員だ。 アンボックストプロセスは、いわゆるモジュラー型の生産方法。ある程度まとまった部品単位である「モジュール」を個別に組み立てた後、全てのモジュールを集めて1台の完成車に組み上げる。自動車業界では「画期的」との声が上がるアイデアだが、工作機械業界からは違った景色が見える。もちろん、クルマと工作機械とでは製品の機能も使われ方も使用環境も異なるから、比較すべき対象ではないのかもしれない。だが、こと生産に関するアイデアという点では、工作機械業界ではモジュラー型生産方法は珍しくも何ともないのだ。 「コロンブス