「コンビニのおにぎりに異変?」。瀬戸内海での取材中にこのことばを聞き、驚きました。 のりを使わないおにぎりが増えている。その理由が、「海がきれいになりすぎたことだ」というのです。 いったいどういうことなのでしょうか。 (岡山放送局 平間一彰記者・鈴木花ディレクター)
3月上旬、カナダ、ケベック州ブラン・サブロンの町の近く。タテゴトアザラシの赤ちゃんが雪に覆われた浜辺に横たわる。通常、セントローレンス湾の流氷上で出産、子育てをするタテゴトアザラシだが、今年は流氷量が過去最低となっており、子アザラシたちの生存が危ぶまれている。(PHOTOGRAPH BY MARIO CYR) 毎年12月になると、極北から南下してきたタテゴトアザラシたちがカナダのセントローレンス湾にやってくる。2月下旬から3月上旬にかけて、マドレーヌ諸島周辺の海氷の上で出産するためだ。このタテゴトアザラシの「保育園」には、白くふわふわの赤ちゃんアザラシを見ようと、毎年何百人もの人々が訪れる。 しかし2021年、数百頭の子アザラシが現れたのは、マドレーヌ諸島の海氷ではなく、北東に約550キロも離れたブラン・サブロン近くの海岸だった。 セントローレンス湾の海氷は現在、観測を始めた1969年以降
カメラに寄ってきたベラの仲間。「原始の海プロジェクト」の調査中にチリのデスベントゥラダス諸島沖で撮影。(PHOTOGRAPH BY ENRIC SALA, NATIONAL GEOGRAPHIC PRISTINE SEAS) 2030年までに世界の海の30%を保護するというキャンペーンは70カ国以上の支持を得ている。ただ現状の達成度は、高い志に反して低い。現時点で保護されている海はわずか7%、そして厳重に保護されている海となるとわずか2.7%だ。 (参考記事:「日本を含む14カ国が「持続可能な海の管理」合意、その大きな意味」) ペルーの水産学者パトリシア・マジュラフ氏は「『30年までに30%』を達成可能と考えるのは、あまりに楽観的すぎます」と話す。マジュラフ氏は漁業関係者の強い抵抗に直面しながら、ペルー沖に深海保護区をつくろうと取り組んできた人物だ。ペルーが保護しているのは沿岸域の0.5%
米フロリダ州では水底にかつて自生していた海草が減少している。ウェス・スキルズ・ピーコック・スプリングス州立公園(写真)もそのひとつだ。このような水生植物の枯渇は、冬場に多くのマナティーが餓死する原因になっている。(Photographs By Jason Gulley) 2021年に入ってから、米国フロリダ州の水域で430頭以上ものマナティーが死亡している。これは、昨年同時期のほぼ3倍にあたる数だ。 この気がかりな事態を受け、海洋生物学者や獣医師たちはただちに原因の究明に乗り出した。フロリダ州魚類野生生物保護委員会の救助スタッフたちも、体調を崩したマナティーの保護に懸命の努力を続けている。 餓死? 保護委員会の獣医師マルティーヌ・ド・ウィット氏が、マナティーの死亡数が増えていることに気づいたのは、冬の初めのことだった。当初は、低温によるストレスが原因だろうと考えた。水温が20℃を下回ると、
オカバンゴ地域で石油生産が開始されると、リカオンをはじめとするアフリカの代表的な動物種が打撃を受ける可能性がある。(PHOTOGRAPH BY DANITA DELIMONT, ALAMY STOCK PHOTO) カナダの石油・ガス会社「リコネッサンス・エナジー・アフリカ(リコンアフリカ)」が1月、アフリカのナミビアで試験掘削を開始した。そこは、隣国ボツワナに広がる野生動物の宝庫、オカバンゴ・デルタの上流にあたる。だが同社が撮影した空撮写真や第三者機関の調査によると、地元の水源を汚染から守る環境配慮策をとっていないようだ。 ナミビアは水資源の乏しい国だ。同社が掘削を始めるという話が広まると、飲料水や灌漑用水の水源である浅い帯水層に、掘削による汚染物質が浸透するのではないかとの懸念の声が地元から上がった。(参考記事:「世界最大のオアシス、国境を隔てた水源を守れるか」) また自然保護団体は、
言い伝えでは、聖パトリックがアイルランドのヘビを海へ追いやったとされる。(PHOTOGRAPH BY CORBIS) 3月17日は「聖パトリックの日(セント・パトリックス・デー)」。アイルランドにキリスト教を広めた聖人、聖パトリックの命日だ。カトリックの祝日として、各地で盛大な行事が行われる。(参考記事:「サンタの歴史:聖ニコラウスが今の姿になるまで」) 伝説では、5世紀にアイルランドでキリスト教を伝道していた聖パトリック(パトリキウス)が、この国からヘビを追い払ったとされている。彼が丘の上で40日間の断食を行っている間に襲ってきたヘビを、海へ追いやったというのだ。 アイルランドが、在来種のヘビのいない珍しい国であることは本当だ。このような場所はニュージーランドやアイスランド、グリーンランド、南極大陸など、世界でも数えるほどしかない。 しかし、科学者らによると、アイルランドにヘビが存在しな
地球の気候変動は日々進行しており、「気候変動は第三次世界大戦レベルの危機」だと主張する専門家もいます。そんな気候変動について、新たに「気候変動がこのまま進めば、2100年までに1年の半分が夏になる」と予測する研究論文がアメリカ地球物理学連合(AGU)の学会誌に掲載されました。 Changing Lengths of the Four Seasons by Global Warming - Wang - - Geophysical Research Letters - Wiley Online Library https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1029/2020GL091753 Northern Hemisphere summers may last nearly half the year by 2100 https://phys
絶滅の危機にあるダイオウヤシの森に滝が流れ落ちる。キューバ、アルテミサ州のソロアで撮影。(PETER R. HOULIHAN, NATIONAL GEOGRAPHIC IMAGE COLLECTION) カリブの島々は、地球上でも特にユニークで多様な生物の宝庫だ。しかし、経済のグローバル化が進むにつれて、故意または偶然に持ち込まれた外来の動植物に侵食されている。多くの島では、こうした外来種によって在来種が完全に排除される可能性が指摘されている。 ところが、キューバは例外だ。半世紀以上前にフィデル・カストロが権力を握った後、貿易と観光が抑制されてきた。抑制が緩和されたのはここ10年か20年のことだ。カストロ政権下の経済的孤立はキューバの人々を苦しめたが、最新研究によると、この孤立のおかげで島が外来種から守られてきたという。 米国とキューバの科学者から成るチームがカリブ海に浮かぶ45の島を調査
廃棄豚骨で有害金属を吸着 安価で高性能―原子力機構など 2021年02月04日18時24分 日本原子力研究開発機構などの研究チームは4日、廃棄された豚骨を使い、カドミウムや鉛、放射性ストロンチウムなどの有害金属を高効率で吸着する技術を開発したと発表した。低コストで簡易な環境浄化手段として期待できるという。 原子力機構物質科学研究センターの関根由莉奈研究員らは、骨の主成分の炭酸アパタイトに着目。加熱処理した豚骨を重曹水溶液に浸したところ、表面に多くの炭酸を含むアパタイトが形成された。炭酸が増えると、アパタイトの表面がマイナスの電気を帯び、プラスの電気を持つストロンチウムなどの金属イオンを吸着しやすくなることが分かった。 浸した骨をストロンチウム水溶液に入れると、3分以内で溶液中の99%のストロンチウムを吸着。未処理の骨に比べて約250倍、吸着剤として使われるゼオライトの約20倍の吸着性能だっ
コハナバチ科に属する、体長4.5ミリメートルのスミースマンズ・ファロウ・ビー(Lasioglossum smeathmanellum)。野生のコハナバチの観察報告は、この数十年間で激減している。(Photograph by Phil Savoie, Nature Picture Library) ハチは私たちの食を支えてくれている。ミツバチやマルハナバチといった、花に集まるハナバチ類は、世界におよそ2万種が知られており、あらゆる食用作物と果物の85%の授粉を担っている。 しかし、この重要な昆虫に異変が起こっているようだ。1月22日付けで学術誌「One Earth」に発表された論文によると、野生下で目撃されたハナバチの種数は、過去数十年で世界的に減少していることが明らかになった。2006年から2015年の間に報告された種数は、1990年代以前に比べて約25%も減っているという。市民による報告
エクアドルの調査現場で、照明を当てたシーツに夜行性の虫たちが集まってきた。(PHOTOGRAPH BY DAVID LIITTSCHWAGER, NATIONAL GEOGRAPHIC, PHOTOGRAPHED AT IYARINA STATION AT GOMATAON) 地球の昆虫は、毎年今の1~2パーセントずつその量を減らしている。特に深刻な地域では、20年間で昆虫全体の3分の1が失われる恐れがある。 そう警告するのは、権威ある学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」の表紙を飾った特集「地球規模で昆虫が減っている」に寄せられた一連の論文だ。1月11日付けで発表された11本の論文には数十人の専門家が参加し、世界の様々な場所で昆虫たちに今何が起きているのかを伝えている。 だが、すべての昆虫がそれほど急速に減少しているわけではない。なかには、数が増えている昆虫もいる。そして何よりも重
英チェルムスフォードで見つかった、足にマスクが絡まった鳥。王立動物虐待防止協会(RSPCA)提供(2021年1月6日撮影、公開、資料写真)。(c)AFP PHOTO /RSPCA 【1月13日 AFP】新型コロナウイルスから人類を守るマスクが、野生動物に死をもたらす脅威になりつつある。きちんと捨てられなかった膨大な量のマスクが動物の生息地に入り込み、鳥から海洋生物にまで絡まりついている。 各国が新型ウイルスの感染防止策としてマスク着用を義務化し始めてから、世界中の道端や水路、浜辺などで使い捨てマスクが目に付くようになった。 薄い素材で作られている使い捨てマスクだが、分解には数百年を要することもある。 環境保護団体オーシャンズアジア(OceansAsia)によると、昨年海に流れ込んだマスクは15億枚以上。これは海のプラスチックごみが約6200トン増えた計算になるという。 活動家らは、マスクを
研究者による調査の後、オーストラリア、ビクトリア州のマクマホンズ川に戻されたカモノハシの子ども。捕獲したカモノハシが30分以上水の外にいることがないように、研究者は急いで作業を進める。(PHOTOGRAGH BY DOUG GIMESY) 18世紀末、大英博物館で自然史コレクションの学芸員をしていたジョージ・ショーは、オーストラリアから送られてきた動物の皮を見て首をかしげた。それはまるで、水かきがついたカモの足とくちばしを、毛で覆われた哺乳類の胴体にくっつけたような不思議な代物だったからだ。学者でもあるショーは、最初、誰かが冗談で複数の動物の部位を縫い合わせたのかと思ったが、後に本物の動物であると認めた。(参考記事:「カモノハシが太古から変わらない理由 」) それから200年以上たった今も、カモノハシは科学者たちを驚かせ続けている。メスは哺乳類なのに卵を産み、オスは後ろ足の蹴爪に毒を持つ。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行による観光客の減少を受け、タイではヤドカリの個体数が急増。その結果、「宿のないヤドカリ」が多数生まれています。この事態を重く見たタイ政府は貝殻をバラまくという対応を行いました。 Homeless Hermit Crabs in Thailand Scramble for Shelter https://www.vice.com/en/article/n7vbad/homeless-hermit-crabs-in-thailand-scramble-for-shelter Thai Hermit Crabs Are Facing an Unexpected Housing Crisis https://www.sciencealert.com/thai-hermit-crabs-are-facing-an-unexpected-hous
ハーフドーム(中央左)、ネバダ滝(右下)などの自然の造形が並ぶ米国のヨセミテ渓谷に日が落ち、星が現れ始める。2020年7月7日、ヨセミテ国立公園で撮影。COVID-19によって同公園が2カ月半にわたって閉園を余儀なくされると、以前は旅行者が使用していたエリアを野生動物が占拠し始めた。ヨセミテ国立公園は現在、予約者を対象にサービスと施設を限定して開園している。(PHOTOGRAPH BY APU GOMES, AFP/GETTY) 2020年、オーストラリアと米国西部では山火事が猛威を振るい、中央アメリカとメキシコ湾岸はハリケーンに襲われ、イナゴの大群がアフリカの角を覆い、さらには命にかかわる新たな病気が野生動物の宿主から人間へと感染して、人々の暮らしを根底から覆した。 ただ、つらい一年にも良いことはあった。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるパンデミック(世界的大流行)の猛
エクアドルは、在来種のカカオから作った高級チョコレートで有名になった。(PHOTOGRAPH BY RODRIGO BUENDIA, AFP/GETTY IMAGES) 南米エクアドルはカカオの宝庫だ。全盛期の19世紀には世界最大の輸出国だったが、病害と世界市場の変化によって20世紀初頭にはその座を明け渡すことになった。しかし近年の農家の努力、持続可能性を重視する企業、さらにパンデミック前までのフードツーリズムの流行などのおかげで、現在、エクアドルのチョコレートがよみがえりつつある。 エクアドルは今や、特定の地域や農園で生産されたカカオ豆だけを使った「シングルオリジン・チョコレート」でよく知られるようになっている。その生産には製品は時間も手間もかかるが、それを支えているのは、ほとんどが小規模な個人農家だ。新型コロナ感染症が世界規模で広がって、こういった小規模農家も打撃を受けやすくなっている
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