[amazon] 本書刊行の2000年当時の、高校入試を中心とした教育問題について論じた本。 学生時代の思い出はいろんな人が語るが、その所属する「学校」そのものが、人為的システムであることにはなかなか気づけない。 本書では2000年当時、なぜ公立高校の学力が低下し、私立高校が進学校として存在感を出してきたのかについて、戦後間もない頃、首都圏に「集団就職」でやってきた地方の人たちが都市に定住し始めた頃から調べ、考察している。 タイトルからは、とうに学校を卒業してしまった者、学校に通う子供のいない者にはあまり関係のない内容のように思えるが、実はとんでもない話である。 本書は通俗的な教育指南書が語らない、秘密の部分を暴くような刺激的な内容である。 ・その1 本書の内容について 本書ではまず、都市圏の高校の問題点に関し、ざっくり言って「戦後から続く、格差社会」が原因であると説いている。「格差社会」